大手酒類メーカーが、欧州産の輸入ワインを2月1日から値下げします!
日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が、2月1日に発効。
欧州からの輸入ワインの関税が即時撤廃されるためです。
欧州産の輸入ワインが2月1日から値下げされる動きについて解説します!
2月1日から欧州産の輸入ワインが平均約10%値下げ
世の中、値上げのニュースも多い昨今ですが…。
欧州産の輸入ワインについては、2月1日から平均約10%の値下げとなります!
日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が2月1日に発効して、欧州からの輸入ワインの関税が即時撤廃されるためです。
これは消費者としては、ちょっと嬉しいお知らせですね♪
欧州産の輸入ワイン値下げのタイミングと値下げ幅
値下げ時期 | 値下げ幅 | |
サントリーワインインターナショナル | 2月出荷分から | 最大11% |
メルシャン | 3月出荷分から | 最大20% |
アサヒビール | 3月出荷分から | 平均10% |
サッポロビール | 3月出荷分から | 最大17% |
イオン | 19年春まで | 最大10% |
(主要新聞各紙より『お金節約.com』編集部作成)
大手酒類メーカーの対応状況を一通りまとめてみました。
2月~3月にかけて、ほぼ全てのメーカーで値下げ対応が行われ、値下がり幅としては平均約10%程度となりそうです。
ワイン輸入量第1位はチリ産ワイン、欧州産ワインの巻き返しなるか!?
ワインというと欧州産、とくにフランス産のワインを思い浮かべてしまいますが、実はワイン輸入量第1位は、チリ産ワインです。
チリ産ワインは、2015年に僅差で首位を獲得した後、2017年統計まで3年連続で首位をキープ。2018年統計の発表はこれからですが、首位を保つものと予想されています。
チリワインの輸入が大きく伸びるきっかけとなったのも、2007年に発効した日本とチリの経済連携協定(EPA)でした。
グラフからも、2000年代中盤以降、チリ産ワインの輸入量が急激に拡大していることが良く分かりますよね!
日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)により、欧州産ワインの巻き返しがなるのか、注目です。
日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)とは
経済連携協定(EPA)とは、自由貿易協定(FTA)よりも一歩踏み込んだ経済協定です。
それぞれの正式名称は次の通り:
- 経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)
- 自由貿易協定(FTA: Free Trade Agreement)
経済連携協定(EPA)と自由貿易協定(FTA)の違い
自由貿易協定(FTA) | 関税撤廃に代表される通商上の障壁の除去が中心 |
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経済連携協定(EPA) | 貿易の自由化に加えて、投資や人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作りなど、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定 |
非常に単純に言うと、関税とか非関税障壁の撤廃が中心となる自由貿易協定(FTA)に比べて、経済連携協定(EPA)はより幅広い領域におよぶ協定です。
日本政府は、関税撤廃だけでなく、投資やサービス面でも幅広い効果が生まれることを期待して、諸外国との貿易交渉はEPAの締結を軸に進めています。
TPPが唯一の例外になるのですが、現時点で、日本政府が外国または特定地域と締結した発効済みの経済協定は、すべてEPA(経済連携協定)となっています。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)についても、実質的に経済連携協定 (EPA) と見なされる場合が多いです。
日本・EU経済連携協定は2018年7月17日署名、2019年2月1日発効
2011年5月28日 | 菅直人首相、EU首脳と日本とEUの経済連携協定(EPA)について、予備交渉の早期開始で合意 |
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2013年4月 | 日本と欧州連合のEPA交渉が開始 |
2017年7月6日 | 安倍晋三首相とEUのドナルド・トゥスク欧州理事会議長およびジャン=クロード・ユンケル欧州委員長、交渉の大枠合意を公表 |
2018年7月17日 | 日本・EU経済連携協定署名 |
2019年2月1日 | 日本・EU経済連携協定発効 |
交渉の過程で、EU側が乳製品において大幅な市場開放を求めるなどで協議は難航しましたが、2016年11月8日にドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領選挙の一般投票で勝利したことで交渉が再び加速。
日本・EU双方が、アメリカの保護主義政策に警戒を強めたことが、早期妥結の後押しになったかたちですね…。
日本・EU経済連携協定の内容
日本・EU経済連携協定は、発効すれば双方の関税が広く撤廃・削減され、世界の国内総生産(GDP)の約3割、世界貿易の約4割を占める非常に大規模な協定です。
日本側の代表的なメリットは、EU側が日本製乗用車にかける関税(現状10%)を8年かけてゼロとすること。日本製の自動車部品は全体の92%の品目で関税が即時撤廃です。
EU側のメリットとしては、農林水産分野の8割ほどの品目で輸入関税が撤廃されること。交渉の焦点にもなった欧州産のソフトチーズは、16年かけて関税をゼロとすることになりましたが、EU産のワインにかける関税については即時撤廃となります。
EU産のワインには現在、輸入価格の15%か1リットル当たり125円のどちらか安い方に関税がかかっているのですが、日本・EU経済連携協定の発効で即時撤廃となります。
一般的なボトル(750ml)で最大約93円の関税がなくなる計算ですね♪
欧州産の輸入ワインが2月1日から値下げ!まとめ
欧州産の輸入ワインが2月1日から値下げになることをご紹介しました!いかがでしたか?
- 大手酒類メーカーが、欧州産の輸入ワインを2月1日から平均10%程度値下げします!
- 今回の値下げは、日本・EU経済連携協定が2019年2月1日に発行し、EU産のワインにかける関税が即時撤廃されるためです。
- 一般的なボトル(750ml)で最大約93円の関税がなくなり、その分が安くなる計算です♪
- 日本政府は、諸外国との貿易交渉はEPAの締結を軸に進めています。
- 日本・EU経済連携協定も2011年から交渉していましたが…。トランプ大統領の登場で交渉が加速、早期締結されることになりました。
EU産のワインが安くなるのは、消費者にとっては嬉しいことですね!
最近では、日本産ワインを『ジャパンワイン』と呼び、ブランディング化する動きもありますが、日本産ワインの生産者さんにとっては要注意な動きでもあるのでしょうね…。
輸入ワインも、日本産ワインも、お互い適切に競争し合って、よりコストパフォーマンスの高いワインを食卓に運んでくれたらと思います♪