最近、NISA(にーさ)という言葉をよく聞きますよね。
何やらお金に関わることらしいけれど、どういうこと?
そんな疑問を感じている人も多いのでは…。
NISAは、個人投資家のための税制優遇制度のことです!
NISAのメリット・デメリットを分かりやすく解説します!
NISAは個人投資家のための税制優遇制度
NISAは(Nippon Individual Savings Account)の略称で、「にーさ」と読みます。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版の制度として、2014年1月にスタートしました!
日本語で言うと「少額投資非課税制度」、NISA口座を通じて投資すると、得られた収益が非課税となる制度です。
NISAと聞くと何やら難しい制度のように思えるかもしれませんが、実際は非常にシンプルな仕組みです。読み進めて行けば必ず理解できます!
NISAが導入された背景
金融庁や日本証券業協会は、NISA導入の目的を「家計の安定的な資産形成の支援と経済成長に必要な成長資金の供給拡大を図る」としています。
例によって良く分からない感じですよね…。汗
『お金節約.com』編集部的に言い換えると、このような感じになるかと思います…。
- 国の財政とか、年金制度とかそれなりにピンチなんだよね…
- それぞれの家計で自己防衛策も進めておいて欲しいなぁ…
- お得に投資できる枠組みをつくってみたから使ってみて!
- 投資してもらたお金は、成長戦略の原資にも回せるから一石二鳥w
日本の国というか、官僚の皆さんは、日本の将来がある程度キビシイことは承知していて、小さな助け舟をいろいろなかたちで出してくる。
NISAもその一つ、と思います。
利用するしないは個々の判断としても、制度を理解して置くことは絶対に必要と思います!
NISAには3つの種類がある
一般NISA | 今回はココを説明! |
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ジュニアNISA | 0歳から19歳の未成年者専用(主に親が子供名義で大学入学費を作ることを想定) |
つみたてNISA | 年間40万円の積立投資信託を20年間非課税にする制度 |
NISAには、一般NISA・ジュニアNISA・つみたてNISA、3つの種類があります。
今回説明するのは、一番最初に制度化された「一般NISA」です。
「一般」という言葉が付いたり付かなかったりするのですが、単にNISAという場合は、一般NISAのことを意味していると、現状ではそう考えていてOKです。
日本証券業協会『みんなにいいさ!NISAがいいさ!!』
NISAの6つの特徴と節税メリット
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人(年齢は口座開設年の1月1日時点) |
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非課税対象 | 株式・投資信託への投資から得られる利益にかかる税金が非課税に |
口座開設可能数 | 1人1口座のみ |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年120万円が上限 |
非課税期間 | 最長5年間 |
口座開設期間 | 2014年~2023年 |
(出典:金融庁『NISAの概要』より抜粋)
NISAの仕組みは、この6つの特徴に集約されています。
順に理解して行けば、NISA制度の仕組みを理解することができます!
NISAを利用できるのは20歳以上の日本居住者
NISAを利用するためには、金融機関でNISA用の口座を作る必要があります。
NISA用の口座を開設することができるのは、その年の1月1日時点で20歳以上の日本居住者となります。
NISAの口座は、20歳の誕生日を迎えた年の翌年から開設できる!ということです。
NISAで非課税対象となる利益とは
NISAを利用しない場合、投資から得られる利益には約20%の税金がかかります。正確には、復興特別所得税を含めると20.315%が課税されます。
NISAの枠内では、利益に対して税金がかからないことが最大のメリットです。
株式や投資信託に投資した時の利益は大きく2つで、値上がりした後に売却して得られる「譲渡益」と、運用し続けることで得られる「配当金」です。上の図で言うと、
- 株式や投資信託を売却した時の譲渡益が非課税になるパターン
- 株式や投資信託の配当金が非課税となるパターン
それぞれのパターンを説明しています。
NISAの口座開設数は1人1口座のみ
NISAの口座は、1人につき1口座しか開設することができません。
NISA口座を開設する金融機関は、1年単位で変更は可能です。
ただし、開設済みのNISA口座で既に株式・投資信託等を購入している場合、その年は他の金融機関に変更することはできません。
NISAの新規投資枠は毎年120万円が上限、非課税投資枠は最大600万円
NISAの新規投資額は毎年120万円が上限で、非課税期間は5年間です。
毎年限度額いっぱいに新規投資を行っていくと(120x5=600)で、5年間の合計で非課税投資枠は最大600万円となります。
- NISAの新規投資額は毎年120万円で、非課税期間は5年間だから…
- 毎年限度額まで投資すると、非課税期間の最終年度には600万円になる。
- これが新規投資額上限120万円と、非課税投資枠上限600万円の関係です!
新規投資枠の上限は毎年120万円ですが、使い切れなかった余り枠があっても、翌年に持ち越すことはできません。
今年は100万円までしか投資しなかったから、20万円余り。翌年は余り枠が合算されて、新規投資枠が140万円になる…。ということは無い!ということですねー
NISAの非課税期間は最長5年間。それを過ぎたらどうなるの?
NISAの非課税期間は最長5年間です。それを過ぎたらどうなるの?というのは、気になりますよね…。
NISAでは、5年が過ぎた段階で次の3つの選択肢があります。
- 5年経過時点で売却して精算
- 新たな非課税枠に移管(ロールオーバー)して継続保有
- 課税口座に移して継続保有
選択肢1:NISA口座の資産を売却して終了
1番目の売却して精算する選択肢はもっとも単純なクロージング方法です。売却して、売却損益を確定させて、終了…。
選択肢2:NISA口座の資産をロールオーバーして5年間保留
2番目の非課税枠への移管を、ロールオーバー(乗り換え)と呼びますが、これはちょっと分かり難いですよね…。実質的には「判断を保留する」ということになります。
ロールオーバーして保有できる期間は5年間です。ロールオーバー可能な金額に上限は無し、全額を翌年の非課税投資枠に移すことができます。
NISAは2023年までの制度ですが、2023年中に購入した金融商品についても5年間(2027年まで)非課税で保有することができます。
簡単にいうと、NISA終了後もロールオーバーして5年間は保留可能ということです!
選択肢3:NISA口座の資産を課税口座に移行して一体管理
3番目の課税口座とは、NISA以外の普通口座を意味します。課税口座に移管する場合は、NISA期間が終了した時点の価格で課税口座に移管されます。
課税口座(普通口座)に移管したあとは課税されることになりますが、それはNISA終了時点の価格がベースです。次のようなケースで考えてみると…
- NSIAで120万円投資
- 150万円に値上がりした段階で、課税口座に移管
- 課税口座で180万円で売却
購入時点からは(180-120=60)60万円の利益が出ていることになりますが、課税対象となるのは(180-150=30)30万円で済むということになります。
NISAの口座開設期間は2023年まで
NISAは恒久的な制度ではありません。(ココ超重要です!)
あらかじめ実施期間が定められた、有限の制度なんです。
現行のNISA制度は、2023年まで。ロールオーバーする場合は5年間(2027年まで)非課税で保有することができるのは既にご説明した通りです。
それでは2023年以降はどうなるの?ということですが…。
平成29年度税制改正の大綱にて、2023年以降は現行のNISA制度を廃止し、つみたてNISAへ制度を一本化するとしています。
財務省『平成29年度税制改正の大綱』
NISAのデメリットは値下がり時に発生
すべての投資にメリットとデメリットがあるように、NISAにもデメリットはあります。
NISAのデメリットは、NISAで投資した資産が、値下がりした時に発生するんです…。
NISAは損益通算ができない(超重要事項!)
課税口座 | 購入価格 | 売却価格 | 損益 |
株式A | 100万円 | 70万円 | -30万円 |
株式B | 50万円 | 80万円 | +30万円 |
合計 | 150万円 | 150万円 | ±0円 |
課税口座で、株式Aと株式Bを売買するケースを考えてみましょう。
株式Aは30万円マイナス(損)、株式Bは30万円プラス(益)、合算(通算)するとプラスマイナスゼロとなりますから、税金も発生しません。
これを、損益通算とよびます。実際、得してるわけではありませんから、そうなるのが自然だよねーと理解できますよね。
ですが!課税口座とNISA口座の間では、損益通算ができないのです。
NISAでは、株式等を売買して利益が発生しても非課税となりますが、逆に損失が発生してもその損失は税計算上は無いものとみなされるためです。
例えば、このケースで株式AをNISA口座で運営していた場合は、かなり悲惨です…。
- NISA口座での30万円のマイナスについては、税計算上無いものになる一方で…。
- 課税口座での30万円のプラスについては、課税対象となります。
30万円の約20%ですから、6万円が税金として徴収されることになるんです。涙
また、NISA口座で発生した損失は、翌年に損失を繰越して翌年の利益と相殺する「損失の繰越控除」も利用することができません。ここも覚えておきましょう。
NISA口座は損益通算ができない、これは必ず覚えておいてください!
NISAは終了時に値下がりしている場合は要注意
NISA口座 | 購入価格 | 売却価格 | 損益 |
株式A | 100万円 | 70万円 | -30万円 |
NISAは、保有している株式などが値下がりしている局面で、5年目の終了期限を迎えるとかなり難しい判断を迫られることになります。
こちらの表の時点でNISA口座の期間が終了したとします。
移行方法3種類のうち、課税口座に移行することを選択すると、時価の70万円で課税口座に移行されることになります。
そして、課税口座で保有する間に、90万円まで値上がりした。購入価格までは戻らなかったけれど、まぁヨシとしよう!と思って売却すると…。
課税口座 | 購入価格 | 売却価格 | 損益 |
株式A | 70万円 | 90万円 | +20万円 |
課税口座で20万円の利益という計算となり、約20%、4万円の税金がかかるのです。
このケースは、トータルで見ると、ものすごい残念な状態になっているんです。
株式Aの売買 | 購入価格 | 売却価格 | 損益 |
NISA口座 | 100万円 | 70万円 | -30万円 |
課税口座 | 70万円 | 90万円 | +20万円 |
課税額 | - | - | -4万円 |
合計 | - | - | -14万円 |
NISA口座でマイナス30万円、課税口座でプラス20万円、差引マイナス10万円で課税無し、そうはならないんですね…。
課税口座の方の利益から税金が引かれてしまうので、結果的にマイナス14万円となるのです…。トータルで損しているのに税金が取られるという悲惨な事態になるわけです。
このケースのように、NISA終了時点で損失が出ている場合は、NISA終了時点で売却して損切りしてしまうことを検討すべきなのでしょう…。
NISAのメリット・デメリットまとめ
NISAのメリット・デメリットは次のようにまとめることができます。
- 投資した株式や投資信託が値上がりすれば、非課税メリットが得られる一方で
- 投資した株式や投資信託が値下がりすれば、損益通算ができないデメリットが現れてくる
NISA口座を開設する場合には、NISAのデメリット、特にNISAは損益通算ができないことは必ず理解するようにしましょう!
NISAとは?メリットとデメリットを分かりやすく解説!まとめ
NISAについて、基本的な説明と、メリット・デメリットを解説してみましたが、いかがでしたか?
- NISAは個人投資家のための税制優遇制度です!
- NISAの新規投資額は毎年120万円という上限があります。
- NISAの保有期間は5年なので、計算上、非課税投資枠の上限は600万円となります。
- NISA終了後の対応は3つの選択肢に分かれます。
- NISAには損益通算ができないというデメリットもあります。
NISAのメリット・デメリットを見ると、国の経済全体が成長して行き、結果として株価も上昇基調を維持することの重要性が改めて分かりますね…。
日本証券業協会のゆるキャラ?とうしんくんは、ほのぼのしていますけれど…。汗
NISAには活用するメリットも大きい一方で、デメリットもあることは忘れないでくださいね!
投資は自己責任で♪キメ