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相乗り型タクシー解禁を検討開始!【地方の高齢者が直面するモビリティ問題の解決策になる!?】

タクシー乗り場
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編集長より子
編集長より子
『お金節約.com』編集長「より子」です。

3月7日の「未来投資会議」にて、相乗り型タクシーの解禁を検討する方針が示されました。

検討の過程を見ると、これも少子高齢化対策の一つであることが分かります。

高齢者になり自力での移動が困難となっても、リーズナブルに利用できる移動手段が中々無いという問題があるんです…。

相乗り型タクシーの解禁を検討する方針が示された「背景」について解説します!

タクシーの「乗合行為」は原則禁止されています

現状では、タクシーの相乗りサービスは原則禁止されています。

そう聞くと、終電が無くなって、友達とか同僚とタクシーと乗り合わせるのも違法なの?

…という疑問も感じてしまいますよね。

まずは現状の制度を解説します!

「道路運送法」第21条の規定

第二十一条 一般貸切旅客自動車運送事業者及び一般乗用旅客自動車運送事業者は、次に掲げる場合に限り、乗合旅客の運送をすることができる。
一 災害の場合その他緊急を要するとき。
二 一般乗合旅客自動車運送事業者によることが困難な場合において、一時的な需要のために国土交通大臣の許可を受けて地域及び期間を限定して行うとき。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送法」

タクシーなど旅客自動車運送を規定する「道路運送法」第21条にて、特別な理由がない限りは、乗合旅客の運送は認められていません。

乗合旅客の運送とは、一般的に「乗合行為」と呼ばれるもので、不特定多数の乗客(旅客)をいちどに乗車させることを意味します。

このような規制が行われている理由は、建前としては、「乗合行為」を無条件に認めてしまうと、無秩序な低価格競争が進み、安全性の確保などで問題が生じることを危惧したからでは無いでしょうか…。

「乗合行為」に該当しないケース

終電が無くなってしまい、友達とか同僚と割り勘でタクシーに乗る行為は、「乗合行為」に該当しません。

  • 相乗りするまでのプロセスに運転手が介在しないこと
  • 乗客の側から運送の申し込みがなされること
  • 人数に関わりなく正規のメーター料金が請求されること
  • 料金の折半(割り勘)は乗客の側で行われること

このような点を満たしていれば、事業として「乗合行為」を行っているわけではないと合理的に判断できるためです。

以上をまとめると、次のようになります。

  1. 通常のタクシーが運転手の主導で営業行為として不特定多数の乗客を一度に乗せること(乗合行為)は、道路運送法により原則禁止です。
  2. その一方、見ず知らずの乗客でも、客同士が申し合わせて相乗りした場合は合法です。

厳密に言うと、「乗合行為」は違法、「相乗り行為」は合法という用語の使い分けが見られますが、新聞報道でも『相乗りタクシー』という表現が見られるため、これ以降の記事中の文章では特に区別せずに記述しています。

第24回「未来投資会議」にてモビリティ問題が議論

3月7日に開催された第24回未来投資会議にて、主に地方の高齢者が移動困難となる「モビリティ問題」が議論されました。

解決策の一つとして、今後、相乗り型タクシーを解禁する方向で検討に入ることが示されています。

ところで、議論の場となった「未来投資会議」とはどういうものなのでしょうか?

未来投資会議の成り立ちと、今回の議論の内容をご紹介します。

未来投資会議は成長戦略と構造改革の司令塔

会議体名 未来投資会議
議長 内閣総理大臣
参加者 関係する国務大臣や有識者
目的 未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るための司令塔として官民が議論する場として設置
開始年月 平成28年(2016年)9月~
ホームページ 未来投資会議

未来投資会議は、「産業競争力会議」と「未来投資に向けた官民対話」を統合して、平成28年(2016年)9月に設置されました。

未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の司令塔として、内閣総理大臣が議長となり、関係する国務大臣や有識者が参加して開催される会議です。

将来の経済成長にとって重要な分野における投資を官民が連携して進めようということですね。

未来投資会議は、月に1~2回のペースで現在まで24回の会議を重ねています。参加者各位が多忙を極めるなかで、かなり精力的に開催されているという印象を受けますね…。

実際、未来投資会議は、現在の日本において、政策の起点となる重要な会議体の一つです。日本で政策などの意思決定がどのように行われているのか把握する意味でも、注目して置いた方が良いと思います!

地方の自動車依存は三大都市圏の約1.5倍も高い

第24回未来投資会議の資料

第24回未来投資会議の資料を見ると、まず最初に、三大都市圏と比べて、地方の自動車依存度が約1.5倍ほど高いことが示されています。

三大都市圏では全年代で自動車依存率が50%以下なのに対して、地方では30歳以上で70%を超え、70歳以上でも65%、80歳以上でも57%が自動車での移動に依存していることが分かります。

第24回未来投資会議の資料

その背景には、働く高齢者が増加していることに加えて、買い物や病院・役所等での用事などを目的として外出する高齢者も多いことが示されています。

その一方でタクシーは運転手も車両も減少傾向

第24回未来投資会議の資料

一方、少子高齢化による人手不足は、タクシードライバーの求人にも影響を与えていて、有効求人倍率は全業種平均と比較しても約2倍の高止まりとなっています。

タクシー事業の推移を見ると、営業車両数はピーク時期の約3分の2に減少していて、その分、日車営収(1日1車当たりの営業収入)は増加に転じていることが分かります。

タクシー事業の健全性は高まっているものの、特に地方においてサービスの供給不足という問題点が解消できていないということですね。

車で移動したくてもサービスの供給者がいない、この状況を「地方のモビリティ問題」として解決策が議論されました。

第24回未来投資会議の資料

地方自治体の自助努力だけでは解決は難しい

第24回未来投資会議の資料

地方自治体も問題は認識していて、「自家用有償旅客運送」という、市町村やNPO法人等が、自家用車を用いて提供する運送サービスを実施している自治体が増えてきています。

自家用有償旅客運送の導入率は、約26%(全国1,724市町村のうち440市町村)で、さらに導入しやすい施策が必要と指摘しますが、そもそも地方自治体でも人手不足は同じ状況なわけで…。

地域公共交通の専任担当者が不在の市町村は8割に達していて、市町村が、配車や安全管理を行うことは大きなハードルにもなっています。

第24回未来投資会議の資料

タクシーの相乗り規制緩和が

第24回未来投資会議の資料

第24回未来投資会議では、地方で自動車移動の需要が高まりつつ、供給側が応えられていない現状に対して、タクシーの相乗り規制を緩和することが解決策の一つとして提起されています。

相乗り制タクシーの導入は、利用客が安い料金で利用可能で、同時に、タクシー事業者には生産性向上につながると指摘。

日本でも、限られた交通機関で可能な限り多くの人が低料金で移動することを可能にするため一般的に導入すべきではないか、と提言しています。

相乗り型タクシー解禁を検討開始!まとめ

タクシーの車列

未来投資会議にて、相乗り型タクシーを全国で解禁する方向で検討に入る方針が示されたことをお伝えしましたが、いかがでしたか?

今回紹介したこと
  • 公共交通機関が大都市圏ほど整備されていない影響もあり、地方の自動車依存率は、三大都市圏の約1.5倍と高い状況です。
  • 地方では70歳以上で65%、80歳以上でも57%が自動車での移動に依存しています。
  • その一方で、タクシー運転手も人手不足の影響があり、営業車両数はピーク時期の約3分の2に減少しています。
  • この、車で移動したくてもサービスの供給者がいないという「モビリティ問題」について、未来投資会議にて議論されました。
  • 解決策の一つとして、現在は原則禁止されている、タクシーの相乗り規制を緩和することが提起されています。

高齢になって運転免許を返納するかどうか迷うけれど、移動できなくなるデメリットを考えると簡単には返納の決断ができない…。

そういうお年寄りも多いと思います。実際、自分自身の実家の状況を見ても、簡単に決めることができない問題のように感じます。

タクシーの相乗り規制を緩和することで、気軽にタクシーを利用できるようになれば、多少なりとも改善に近づくかも知れないですね。

それにしても、現在の日本を取り巻く問題の多くが、「少子高齢化」の影響を受けていることには改めて考えさせられます…。

『お金節約.com』編集部では、今後も未来投資会議の動向に注目して行きます!