5月11日から、セブンイレブンでは販売期限が近いお弁当などを一律値引きする取り組みをスタートしました!
販売期限の5時間前(一部商品は9時間前)から一律5%値引きになるのは有難いのですが、悩ましいのは決済方法。
というのもこの値引きは、対象商品をnanacoで購入した場合に、nanacoポイントで還元するというものなのです…。
セブンイレブンが、販売期限近い弁当などをnanacoポイントで値引きを開始することをお伝えします。
2019年10月に「食品ロス削減推進法」が施行
セブンイレブンが販売期限が近いお弁当などを一律値引きする取り組みを進めているのは、食品ロスを削減しようという動きの一環です。
世界の人口増加により、食料資源が枯渇する危険性が議論されるなかで、先進国では多くの食料が無駄に廃棄されていることが世界的な問題になっているんですね。
日本政府も、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称:食品ロス削減推進法)を定めて国をあげて食品ロス削減に取り組んでいます。
「食品ロス削減推進法」の目的と背景
「食品ロス削減推進法」は令和元年5月公布、10月施行された新しい法律です。
「食品ロス削減推進法」制定の目的は、その名の通り、食品ロスを削減すること。
背景には、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物が、大量に発生しているという状況があります。重量換算すると、食料消費全体の3割が廃棄されているんです!
日本の食品ロスは、2つの経路に分けて議論されています。
- 家庭外での発生(食品メーカーや卸・小売店など流通過程および飲食店等)
- 各家庭での発生
現状では、両者の重量ベースでの発生量はほぼ半々という状況です。
前者、家庭外で発生する食品ロスの問題は、食品業界の主要各社が参加する『食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム』にて平成23年から検討されていて、現在では賞味期限が短い日配品の取り扱いが中心に議論されています。
後者、各家庭で発生する食品ロスについては、「消費期限」と「賞味期限」の違いを理解するための啓蒙活動が、消費者庁を中心に進められています。
詳しくは次の記事を参考にしてください。
「食品ロス削減推進法」の概要
食品ロス削減推進法では、食品ロスを「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組」と定義。
国・地方公共団体・事業者の責務、消費者の役割、関係者相互の連携協力を定めていますが、現時点では、食品ロス削減に向けての大きな道筋をつけたかたちです。
コンビニなど、食料品を提供する事業者の責務としては、国や地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努めるとともに、食品ロスの削減について積極的に取り組む努力義務が定められました。
誤解の無いように明記しておきますと、食品ロス削減推進法では罰則規定はありません。
まだ食べることができる食品を廃棄しても違法行為とはならないということですが、欧州を中心に罰則規定を定める動きも進んでいて、将来的な法改正で日本にも導入される可能性はあるのではないかと思われます。
セブンイレブンが販売期限が近いお弁当などの一律値引きを開始
コンビニの最大手セブンイレブンは「食品ロス削減」の取り組みとして、『エシカルプロジェクト』と名付けた販売期限が迫った商品への割引施策を実施してきました。
これまでは地域限定・期間限定だった『エシカルプロジェクト』を、終了期間を定めることなく、日本全国の店舗を対象に開始することを決定したということなのです!
2020年5月11日から日本全国で対応開始
実施期間 | 2020年5月11日(月)から開始 |
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対象店舗 | 全国のセブン‐イレブン店舗20,929店(2020年3月末現在) |
対象時間 | 販売期限の5時間前から(チルド弁当等の一部商品は9時間前から) ※実施店舗により状況が異なる場合あり |
付与ポイント | 対象商品をnanacoで購入した場合に、 税抜店頭価格の5%分のnanacoボーナスポイントを即時付与 |
対象商品 | 合計7つのカテゴリーで下記シールが貼られた商品が対象 ・「米飯」分類:おにぎり・弁当・寿司など ・「調理パン」分類:サンドイッチ・ロールなど ・「麺類その他」分類:レンジ麺・パスタなど ・「デリカテッセン」分類:惣菜・サラダなど ・「スイーツ」分類:チルドデザートなど ・「ペストリー」・「パン」分類:オリジナルの菓子パン・惣菜パンなど |
全国版『エシカルプロジェクト』の概要を、一覧表にまとめてみました。
ちなみに、エシカル(ethical)とは、倫理的・道徳的という意味があり、人や社会、地球環境、地域に配慮した消費行動をエシカル消費などと呼んでいるようです。
肝心の値引きタイミングは、販売期限の5時間前から割引開始。食品スーパーの感覚で見ると早いような気もしますが、商品の回転を考慮した設定なのだと思われます。
セブンイレブンではレシートのイメージも公開しています。
対象商品の金額右側に「◎」を印字、nanacoボーナスポイントは、レシート内の「内ボーナスポイント」に表記するということです。
【嬉しい点】全国一律の統一対応
全国のセブンイレブン一律の統一対応で、シールを見れば対象商品かどうか判別が付くのは、非常に分かりやすいと思います。
全国一律の統一対応となり、消費者としても非常に有難い仕組みではないでしょうか!
セブンイレブンだけではありませんが、コンビニは販売期限切れの商品はレジを通らない仕組みになっていますので、仮にシールが無くてもレジで自動的に値引きされるのではないかと思われます。(この点は実施後に確認してみようと思います)
【微妙に感じる点】5%ポイント還元される決済方法は『nanaco』のみ
逆に微妙に感じてしまう点は、ただ一つ。
5%ポイント還元される決済方法は『nanaco』のみ
ということです。この点は、率直に言うとかなり残念な印象があります…。
個人的には、コンビニでの支払いは、ほとんどPayPayに統一してしまっていました。主要コンビニ全てで利用できて、ポイントも貯まるのはやはり便利なんですよね。
そういえば、nanacoはしばらく使っていないな~という状況でしたので…。だからこそ、自社の電子マネーnanacoの復活策としても制度設計したのかも知れませんが…。
【備考】キャッシュレス還元との併用は可能
セブンイレブンで割引対象の商品を購入して5%のnanacoポイント還元を受けることと、キャッシュレス還元とを併用することは問題なく可能です。
キャッシュレス還元は、消費増税対策の一環として、対象の支払い方法を用いると2%が即時還元される仕組みですね。
販売期限切れの割引を受けるためにはnanacoを利用する必要があり、nanacoはもちろん対象の支払い方法に含まれていますので、6月末までは合計7%割引となります。
キャッシュレス還元は6月末までの期間限定施策ですが、この期間は特にオトクということですね!
【利用体験】セブンイレブンでは5月11日午前零時から対応開始!
セブンイレブンでは、5月11日午前零時から5%割引の対応を開始しています。
さっそく割引品を購入して見ました。今回はコンビニ定番のおにぎりですw
今回はポイント残高ゼロとなっていたnanacoカードに、1000円をチャージして決済。
おにぎり1個あたりのお値段と割引額をレシートで確認して見ました。
- おにぎり定価:115円(消費税込み124円)
- キャッシュレス還元:2円
- nanacoポイント還元:6ポイント
しっかり値引き・ポイント還元されていました!
【決済方法が悩ましい!?】セブンイレブンが販売期限近い弁当などをnanacoポイントで値引き開始【まとめ】
5月11日から、セブンイレブンが全店舗で販売期限近い弁当などをnanacoポイントで値引き開始したことをお伝えしました。
- 「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組」として、食品ロス削減の動きが進んでいます。
- 日本では「食品ロス削減推進法」が令和元年5月に公布・10月に施行され、食品ロス削減を目指す動きは新しい段階に入っています。
- 事業者側の取り組みの一環として、2020年5月11日から、セブンイレブンは販売期限が近いお弁当などを一律値引きする取り組みをスタート!
- セブンイレブン全店を対象に、販売期限の5時間前(一部商品は9時間前)から一律5%値引きにな仕組みです。
- 値引きが可能になる決済方法は、nanaco限定。ポイント還元も、nanacoポイントで還元されることになります。
業界最大手のセブンイレブンが、全店を対象に期限切れが近い商品の値引き制度を導入するのは、消費者にとっても非常に有難い取り組みではないかと思います。
その一方で、現時点では、決済方法・ポイント還元方法が限られることも事実です。
個人的には、しばらく使っていなかった nanaco をまた使い始めるかどうか、微妙に悩ましい所ではあるのですけれど…。
まずは食品ロス削減のための第一歩と考え、できるだけ利用して見ようと思っています!