2020年4月8日午前零時、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。
法律、政令、条約等の公布など、国の行為は『官報』によって告示されます。
現行憲法下で初となる日本政府の緊急事態宣言も、もちろん官報に掲載されています。
ところで、この官報はどうしたら入手することができるの…?今回はその疑問に迫ってみました。
官報を入手する方法を解説します!
『官報』は明治16年創刊の日本国の機関紙
官報は、国立印刷局が発行する日本国の機関紙です。
明治16年(1883年)創刊ですが、それまでは、時代劇などで良く見られる木の板に墨書した高札で国民に伝えていたのですね。
より多くの人に伝わりやすいよう紙媒体に置き換えた官報が誕生してから130年余。
現在、官報の役割は大きく2つあります。
- 国の行いを広く伝える告示・広報の役割
- 企業の決算情報などを掲載する広告紙の役割
ごく簡単にそれぞれの役割・機能について説明します。
「国の広報紙」としての役割
官報の最も重要な役割は、法律、政令、条約等の公布など、国の行いを広く伝えること。
法律や政令が効力を持つ手順としては、成立した法律や政令を国民に周知(公布)した後、一定期間を置いて実際に効力を生じさせる(施行)という段階を経ます。
法令の公布は慣例により官報によってなされていますし、人事院規則、最高裁判所規則及び会計検査院規則の公布については、官報によることが明文で定められています。
官報で告示されることは、現代でもなお、重要な法手続きの一環となっています。
「国民の公告紙」としての役割
官報には、国民が広告の掲載を申し込むことができます。
官報に掲載される広告の代表的な事例は、会社の「決算公告」。会社法によって、会社には「決算公告」と「決定公告」の2種類の公告を行う義務が課されています。
定款に公告方法を定めることはできるのですが、定款に公告方法を定めていないときは「官報」がその会社の公告方法となり、多くの会社が官報掲載を採用しています。
【注】株式会社には決算公告をする義務がありますが、合同会社や有限会社には決算公告を行う義務はありません。
官報を入手する方法は2つ
ここからは、官報を実際に入手する方法について解説します。
官報は公的性格が非常に強いものですが、基本的には、有料で一般販売されています。
入手方法は大きく3つに分かれますので、順に解説しますね。
【インターネット版】30日は無料閲覧・ダウンロード可能
官報は原則として有料ですが、一部をインターネット版(PDFデータ)として無料公開しています。現時点で無料公開されている官報情報は次の3種類。
- 平成15年7月15日以降の法律、政令等の官報情報
- 平成28年4月1日以降の政府調達の官報情報
- 直近30日分の官報情報(本紙、号外、政府調達等)
直近30日分の官報については、インターネット版(PDFデータ)を無料閲覧・ダウンロード可能とし、法令・政令等の重要事項については、より長期間閲覧可能な状態としているということですね。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令については、③番目の号外情報となりますので、気になる人は早めにダウンロードすることをおすすめします。
ダウンロード先は下記リンクです。
【紙版の入手方法①】都道府県庁所在地の「官報販売所」で販売
官報は基本的には紙媒体での配布を前提としているものです。どうせなら紙版の官報を入手したいと考える人もいるでしょう。
紙版の官報は、都道府県庁所在地にある「官報販売所」で販売しています。
多くの官報販売所では、官報だけを販売するのではなく、関連図書の販売もあわせて行っています。書店が官報販売所を運営しているケースも見られますね。
各都道府県の「官報販売所」の場所は、次のリンクを参考にしてみて下さい。
【紙版の入手方法②】かんぽう販売サイトより通販可能
3番目の方法は、かんぽう販売サイトでの通信販売です。
官報販売所に行けば購入できるのは分かるとしても、そもそも外出を自粛したい状況にあるわけですから、通信販売が活用できれば助かりますよね。
通信販売の種類と支払い方法は次の通りです。
- 定期購読(事前送付した請求書にて前払い)
- 一部購読(送付時に請求書と郵便振替票を同封)
一部購読を活用すれば、特定の日付の官報1部からでも購入が可能です。
【4月9日追記】本日更新にて、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に関する公示(号外特第44号)が、通信販売の対象となりました。購入可能です!
かんぽう販売サイトへのリンク先は下記となります。
【参考】購入完了までの流れを図解
ここから先は、かんぽう販売サイトで実際に購入する流れを、実際の注文画像とともにご紹介します。
【後日譚】4日後に官報が到着しました
今回は、注文日(4月9日)の4日後、4月13日に到着しました。郵便物として投函されたということですね。
※現在、土日の配達が制限されている状況がありますので、その影響は加味する必要があるかと思います。
官報の実物とともに、請求書と郵便振替票が同封されていました。
送料が71円加算、さらに最後の送金時に152円の振込手数料がかかります。
この送料・振込手数料については、かんぽうの通信販売フローでは説明が無かったはずです…。ここだけは注意した方が良いかと思います。
同封されてきた郵便振替票(払込取扱票)を用いて、実際にどうやって支払処理するのかについては、詳しくは次の記事を参考にしてください。
【緊急事態宣言発令!】官報を入手する方法を解説【まとめ】
官報を入手する方法について解説しましたが、いかがでしたか?
- 2020年4月8日午前零時、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。
- この緊急事態宣言は「官報」に掲載されているのですが、官報を入手するためには、電子版を含めて3つの入手方法があります。
- 直近30日分の官報情報(本紙、号外、政府調達等)はインターネット版(PDFデータ)の無料閲覧・ダウンロードが可能です。
- 紙版の官報は、都道府県庁所在地にある「官報販売所」で販売しています。
- 紙版の官報は、かんぽう販売サイトでの通信販売で入手することも可能です。
現行憲法下で初の緊急事態宣言となりましたが、そう何度も発生する事態では無いはず。(あって欲しくもありません…)
歴史的な出来事を見た証拠として、できるだけ公的性格の強い書類で手元に記録を残しておきたい…。そんな野次馬的な考えから、官報の入手方法を探ってみました。
ところで!『お金節約.com』編集部がある千葉県成田市は、緊急事態宣言の対処地域に入っていますので、今後の取材活動はかなり悩ましい所です…。
原則としては、人との接触が生じる取材活動は停止せざるを得ないかと考えています。
事態が長期化する可能性も考慮しなくてはなりませんので、無理なく継続できる方法を模索して行きたいと思います。