2019年6月14日から「チケット不正転売禁止法」が施行!
しばらく前から色々な所で告知されていますね。
ところで、同法の規制の対象となるのは「特定興行入場券」です。
「特定興行入場券」って何?どういうことをしたら違法となるの?
「チケット不正転売禁止法」について解説します!
6月14日からチケット不正転売禁止法が施行
2019年6月14日、「チケット不正転売禁止法」が施行されました。
根拠法の成立は、2018年(平成30年)12月14日。これまで、色々な所で告知されてきましたので、独特のポスターに見覚えがある人も多いのではないでしょうか。
インターネットでの高額転売行為の防止が主目的
「チケット不正転売禁止法」の正式名称は、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」。な、長いですね…。汗
その名の通り、「特定興行入場券の不正転売」を規制する法律です。
チケットの転売のうち、いわゆるダフ屋行為については、各都道府県の迷惑防止条例で主に取締されていますが、罰則もばらばらな上に条例が無い県もあります。
何よりも、各都道府県単位の迷惑防止条例では、インターネットでの高額転売行為を規制することが出来ないという問題がありました。
ラグビーワールドカップや、東京2020オリンピック・パラリンピックなど、大規模イベントが迫るなかで、インターネットでの高額転売行為を規制する法律の制定が求められていたんですね。
違反した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
「チケット不正転売禁止法」の罰則は、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」するというものです。
併科とは、懲役が科されたうえで罰金刑にも併せて処される場合があるということですね。
日本国民の国外犯にも適用され、日本国内において罪を犯したすべての者、および日本国外において罪を犯した日本国民が処罰対象となります。
興行の開催地が日本国内である場合には、不正転売買の実行地は国を問いません。興行主等の国籍や、入場券の発行者の国籍も問わず規制の対象となります。
インターネットを介した取引の場合、不正転売買の実行指令が日本国内から発せられていれば、サーバー等が日本国外にあったとしても規制の対象となります。
日本で開催される興行に対して、日本人が営利目的でチケットの不正転売を行った場合は、実質的にほぼ全てアウトと考えて良いです。
売買を行う者が日本国民ではなく、不正転売買の実行地が日本国外である場合には、「チケット不正転売禁止法」の規制対象とはなりません。
「特定興行入場券」とは何か把握しておきましょう
「チケット不正転売禁止法」は、特定興行入場券の不正転売を禁じる法律です。
まずは「特定興行入場券」とは何か?その定義をしっかり把握しておきましょう!
「特定興行入場券」の定義3要素
「特定興行入場券」を定義すると、次の3点が成立しているチケットとなります。
- 無断譲渡の禁止が明記されていること
- 日時と場所、入場資格または座席が指定されていること
- 入場資格者または購入者の名前が明記されていること
この条件が成立していれば、紙のチケットでなくQRコードの入場券などでも「特定興行入場券」に該当することになります。
継続的・反復的に利益を得ている場合が法規制の対象
また、禁止対象となる「不正転売」の定義については、興行主の同意を得ない有償譲渡を「業として」行うケースと定義されています。
この場合の「業」というのは、事業者という意味では無く、個人でも対象になり得ます。
つまり、興行主の同意を得ない有償譲渡を、営利目的で常習的に行っている場合は、事業者・個人を問わずに法規制の対象となるということです。
興行主の同意を得ない有償譲渡を、営利目的で常習的に行っている場合、仮に定価より1円でも高く販売すれば罪に問われる可能性があります。
オークション事業者等の対応も進んでいます
オークションサイトなどの対応も進んでいて、転売目的で入手したと判断されるチケットについては、出品禁止の対象となっています。
一方、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、興行主側で不要チケットのリセール制度を設けるとしていますが、このようなケースは当然、違法行為には該当しません。
6月14日からチケット不正転売禁止法が施行!まとめ
6月14日から施行された「チケット不正転売禁止法」についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
- 2019年6月14日、「チケット不正転売禁止法」が施行されました。
- 「チケット不正転売禁止法」は、主にインターネットでの高額転売行為の防止を主目的とした法律です。
- 「チケット不正転売禁止法」の罰則は、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」するというもの。
- インターネット取引の場合、不正転売買の実行指令が日本国内から発せられていれば、サーバー等が日本国外にあったとしても規制の対象となります。
- 興行主の同意を得ずに、営利目的で常習的に転売行為を行っている場合は違法行為となりますので注意しましょう!
「チケット不正転売禁止法」が施行されたことで、これまで未対応だった興行主でも、チケットを「特定興行入場券」の条件を満たすかたちで発行するようになると思われます。
そして、興行主の同意を得ずに、「特定興行入場券」の条件を満たすチケットを、営利目的で常習的に行った場合は違法行為となってしまいます…。
かなり明確に違法ラインが示されている上に、比較的に罰則規定も重いので、十分注意するようにしましょう。
「チケット不正転売禁止法」によって、事実上、転売行為はほぼほぼアウト。そう考えておいた方が無難だろうと思います。