2019年4月4日、セブン&アイ・ホールディングスは、電子マネー「nanaco(ナナコ)」のポイント還元率を、1.0%から0.5%に引き下げることを発表!
7月1日から実施されるということですから、約3か月後にはポイント還元率が半減してしまうんです…。TT)
一方、7月から、新しくスマホのバーコード決済「7pay(セブンペイ)」を導入することも発表。
ポイント還元率は「nanaco(ナナコ)」と「7pay(セブンペイ)」で同率の0.5%にするということなんですね…。
セブン&アイ・ホールディングスの、ポイント還元率引き下げと、同時に進むバーコード決済導入の動きを解説します!
セブン&アイ・ホールディングスのポイント体系
セブン&アイ・ホールディングスのポイント制度というと、セブンイレブンとかイトーヨーカドーで使えるnanaco(ナナコ)のことを想像してしまう人も多いと思います。
実際、nanaco(ナナコ)はセブン&アイ・ホールディングスの中心的なポイント制度なのですが、2018年6月からは「セブンマイルプログラム」も開始しています。
nanaco(ナナコ)とセブンマイルプログラムの関係を、まずは整理しておきましょう!
「セブンマイルプログラム」はセブン&アイグループを横断する特典制度
日本の流通業は、イオンとセブン&アイグループの2強状態が続いています。
イオンが約8.3兆円、セブン&アイグループが約6兆円で、第3位のファーストリテイリング(ユニクロ)が約2.1兆円ですから、トップ2社は他の追随を許さない状況となっているんです。
セブン&アイグループは巨大な流通グループで、2000年代に入り百貨店の「そごう」や「西武」もグループに収めています。
nanaco(ナナコ)はもともと、セブンイレブンから導入がスタートしたもので、セブンイレブンやイトーヨーカ堂では「貯まる・使う(交換)」両方に対応しています。ですが、グループ全店舗でnanaco(ナナコ)にフル対応しているわけではありません。
例えば、セブン&アイグループのなかでも、ロフトとかアリオでは「貯めることは出来るけれど、使うことは出来ない」状態なんです。(注:2019年4月4日時点)
セブンマイルプログラムは、さまざまなルーツを持つ企業が含まれているセブン&アイグループで、横断的に利用できる特典制度として2018年6月に誕生。
現状では、次のような特典で運営されています。
- お買物1円=1マイルで貯まる
- 5段階のランク設定があり、マイルが貯まるとランクが上がる
- ランクアップ時のボーナスとして、nanaco(ナナコ)が付与される
nanaco(ナナコ)はセブン&アイグループの中心的な電子マネー
事業区分 | 代表ブランド | 営業収益 | 構成比率 |
国内コンビニ事業 | セブンイレブン | 9,286億円 | 15.2% |
海外コンビニ事業 | セブンイレブン | 1兆9,815億円 | 32.4% |
スーパー事業 | イトーヨーカ堂 | 1兆9,011億円 | 31.1% |
百貨店事業 | そごう・西武 | 6,578億円 | 10.8% |
金融関連事業 | セブン銀行 | 2,029億円 | 3.3% |
専門店事業 | ロフト・ニッセン | 4,166億円 | 6.8% |
その他 | - | 235億円 | 0.4% |
(出典:セブン&アイ・ホールディングス統合レポート2018より『お金節約.com』編集部作成)
とはいえ、現時点では、セブン&アイグループと言えばnanaco(ナナコ)のことを想像してしまう、私たちの認識が間違っているわけでもありません。
セブン&アイグループで、nanaco(ナナコ)が「貯まる・使う(交換)」両方に対応している店舗(黄色背景)は、全体の比率でも46.3%、日本国内の事業だけでみると、ほぼ7割に達することが分かります。
現状では、nanaco(ナナコ)がセブン&アイグループの中心的な電子マネーというのは間違いのない事実と言って良いでしょう!
現状では、セブンマイルプログラムが上位にあって、nanaco(ナナコ)とは線でつながっているような感じですが…。
ここから、nanaco(ナナコ)とセブンマイルプログラムがどのような関係で連携を強化していくのか、注目されていたわけです。
セブン&アイの特典プログラムをリニューアル
2019年4月4日、セブン&アイ・ホールディングスは、特典プログラムの体系をリニューアルすることを発表しました。
今回の変更は、次の3つの柱があると考えて良いです。
- nanaco(ナナコ)のポイント還元率を1.0%から0.5%に引き下げる
- スマホ決済・バーコード決済の仕組み7pay(セブンペイ)を導入
- セブンマイルプログラムがいつでもnanaco(ナナコ)ポイントと交換可能に
私たちの生活に影響が大きい順に解説して行きましょう!
nanaco(ナナコ)のポイント還元率を1.0%から0.5%に引き下げ
ポイント付与条件 | ポイント還元率 | |
変更前 | 買物100円(税抜)につき1nanacoポイント付与 | 1.0% |
変更後 | 買物200円(税抜)につき1nanacoポイント付与 | 0.5% |
nanaco(ナナコ)のポイント還元率は、1.0%から0.5%に引き下げるということです。消費者にとってはポイントとして戻ってくる分が減るということですから、改悪となりますね。
変更は、2019年7月1日(月)を予定しています。
スマホ決済・バーコード決済の仕組み7pay(セブンペイ)を導入
同時に、スマートフォンをツールとしたバーコード決済7pay(セブンペイ)を導入することを発表!
セブンイレブンのスマホ決済サービスがどうなるか注目されていましたが、やっと、7pay(セブンペイ)というかたちが見えてきました。
7pay(セブンペイ)利用時には、買物200円(税抜)につき1nanacoポイントが付与されます。nanaco(ナナコ)のポイント還元率は0.5%に統一されるということですね。
導入開始時期は、2019年7月を予定しています。
セブンマイルプログラムがいつでもnanaco(ナナコ)ポイントと交換可能に
一方、セブンマイルプログラムの利便性は高まります。貯まったセブンマイルは、いつでもnanacoポイントに交換可能となります。
変更タイミングは、2019年9月1日(日)を予定。
セブンマイルプログラムについては、改良と考えて良さそうですが、現時点では、nanaco(ナナコ)ポイントとの交換単位は検討中とするなど、まだ不透明な部分も残ります。
セブン&アイグループの特典プログラム体系は、セブンマイルプログラムを頂点とした三角形をかたちづくるものと予想されますが、果たして…。
【悲報】nanaco(ナナコ)ポイントが1.0%から0.5%に引き下げへ!まとめ
nanaco(ナナコ)のポイント還元率が、1.0%から0.5%に引き下げられること、その背景には、セブン&アイグループの特典プログラム刷新の動きがあることを解説しました。いかがでしたか?
- 2019年4月4日、セブン&アイ・ホールディングスは、特典プログラムの体系をリニューアルすることを発表。
- 2019年7月1日(月)より、nanaco(ナナコ)のポイント還元率は、1.0%から0.5%に引き下げとなります。
- 2019年7月より、スマホ決済・バーコード決済の仕組み7pay(セブンペイ)が導入されます。
- 2019年9月1日(日)より、セブンマイルプログラムがいつでもnanaco(ナナコ)ポイントと交換可能になります。
- 現時点ではまだ「予定」とされている部分も多いことには留意してください。
ほぼ毎日セブンイレブンを利用している身としては、nanaco(ナナコ)のポイント還元率が、1.0%から0.5%に引き下げられるのはかなり痛いのですが…。TT)
政府がキャッシュレス化を積極的に推進している状況もあり、現金以外のポイント還元率については、このタイミングで引き下げておきたいという意向があったのかも知れません。
生活防衛策としては、nanaco(ナナコ)などの電子マネーは、クレジットカードと連動させてポイントの二重取り体制を構築することなどが、これまで以上に重要になってくると思います。