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ふるさと納税、返礼品の見直しを総務省が検討【ふるさと納税の基礎知識】

故郷の桜
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編集長より子
編集長より子
『お金節約.com』編集長「より子」です。

ふるさと納税は、手軽にできて、しかもお得な節税方法として大人気。今では多くの自治体が導入しています。

ふるさと納税を集めるポイントになっているのが、高額・豪華な返礼品です。

豪華な返礼品であればあるほど、ふるさと納税を集めやすい!ということで、自治体間の競争も激しくなってきています。

2018年9月11日、総務省は限度額などを守らない自治体を、ふるさと納税の対象から外す方向で制度を見直す方針を明らかにしました。

ふるさと納税はどうなるの?

ふるさと納税の基礎知識を含めて、解説します!

ふるさと納税の基本的な仕組み

ふるさと納税の仕組み(出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト『ふるさと納税の仕組み』)

ふるさと納税、と聞いても何だかトクする仕組みとは聞いているけど、詳しくは分からない…。という人も多いと思います。

ふるさと納税は、確定申告を行ってはじめてオトクになる制度なので、普段は確定申告をする必要が無いサラリーマンとかOLには、ちょっとだけ分かりにくい所があります。

ふるさと納税の基本的な仕組みを、まず解説しますね!

ふるさと納税という名前だけど、実際は納税というより寄付

ふるさと『納税』という名前で呼ばれていますが、実際には、納税というより『寄付』なんです。

ふるさと納税本来の趣旨・目的は、自分の生まれ故郷とか、お世話になった地域、災害に見舞われたりして復興を応援したい地域、そこに寄付金を贈る制度として活用することです。

ふるさと納税を行うと所得税の還付や個人住民税の控除が受けられる

ふるさと納税を地方自治体に行うと、寄付を証明する「受領書(寄附金受領証明書)」が送付されます。図の②の流れですね。

確定申告の際に、この「受領書(寄附金受領証明書)」を添付することで、所得税の還付や個人住民税の控除が受けられるというメリットがあるんです。

ふるさと納税した金額から2,000円を引いた額を、課税対象から除外(控除)してくれる、ココがふるさと納税の制度的なポイントです。

ふるさと納税は、地方自治体に寄付金を贈る制度です。ふるさと納税した金額から2,000円を引いた額が、所得税や住民税から控除される仕組みです。

ふるさと納税がより便利に使えるワンストップ特例申請

ふるさと納税「ワンストップ特例」の仕組み(出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト『ワンストップ特例制度』)

でも、ふるさと納税のためだけに確定申告するのは面倒くさい…。そう思う人はたくさんいますよね!

そういう人たちの手間を省くために生まれたのが『ワンストップ特例』という制度です。

ワンストップ特例を利用できる条件

『ワンストップ特例』は、寄付をした年の所得について確定申告の必要がなく、1年間のふるさと納税の寄付先の自治体が5つまでの人が利用できる制度です。

図の➀の部分ですが、「ワンストップ特例申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)」と「マイナンバー提供に必要な本人確認書類(番号確認と身元確認の書類)」を、ふるさと納税を行う自治体に郵送します。

すると、図②の流れで、ふるさと納税先の自治体から、自分が住んでいる自治体に連絡が行って、ふるさと納税をした翌年度分の個人住民税の減額(控除)が受けられます。

ふるさと納税をする側から見ると、(図➀の流れ)一回の手続きだけで簡単に節税対策ができるので、『ワンストップ』と呼ばれているんですね!

ワンストップ特例には申請期限があります!

『ワンストップ特例』はとても便利な制度ですが、事後の申請には期限があることには注意して下さい!

最初から『ワンストップ特例』で必要書類を送っている人は問題ありませんが、あとから『ワンストップ特例』の存在を知る人も結構いるんです。

この場合、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ届出書を提出する必要があります。

引っ越しをしたり、提出済の申請書の内容に変更があった場合にも、同じようにふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ変更届出書を提出する必要があります。

確定申告が面倒!という人にも、ふるさと納税の寄付先が5つまでなら『ワンストップ特例』という便利な制度が用意されています。

ふるさと納税は高額返礼品の宝庫!

ふるさと納税が大人気なのは、返礼品がすごく充実しているためです。

ふるさと納税を行うことによって、返礼品がもらえる。ふるさと納税した分は、所得税の還付や個人住民税の控除が受けられる。

となると…。返礼品を貰えて節税も出来る。2重にオトクな制度でしょ!そう考える人がたくさん出てきたんですね。

ふるさと納税の高額返礼品競争も超激化!

ふるさと納税を集める地方自治体側も必死です。

プリペイドカードなどを返礼品に設定する地方自治体も現れました。(2015年通知で禁止に!)

さらに商品券とか、電気・電子機器、貴金属などを設定する地方自治体も現れました。(こちらは、2016年通知で禁止に…。汗)

どう考えても地方の名産品じゃないでしょ?という返礼品を設定したり、返戻金に対しての返礼品の割合、返礼割合を高めたりする地方自治体が現れてきたんですね。

ふるさと納税の納税額は制度開始後9年で35倍に成長!

ふるさと納税を提供する地方自治体の高額返礼品競争もあり、ふるさと納税は急激に拡大!

平成20年度(2008年)の制度発足当初は81.4億円だったところ、平成28年度(2016年)には2,844.1億まで拡大。実に約35倍もの急成長です。

ふるさと納税は、寄付してもらえる地方自治体にしてみればメリットがある制度ですが、逆に言うと、本来徴収できるはずだった税金を失っている地方自治体も存在するわけです。

特に、あまりに高額な返礼品でふるさと納税を集めるのは、そもそもの趣旨に反しているんじゃないの?そういう議論が起こってきたんですね。

ふるさと納税は、地方活性化のためにも有意義な制度ですが、高額の返礼品が問題視される状況も生じてきています。

ふるさと納税、返礼品の見直しを総務省が検討

ふるさと納税については、管轄する総務省も、これまで度々『通知』というかたちで自治体に運用を見直しを求めてきました。

平成28年度(2016年)には、全体の65%にあたる1156の自治体で返礼割合が3割を超えている状況となり、総務省は平成29年(2017年)春に、寄付金に対する返礼の割合を3割以下に抑えて地場産品以外は扱わないよう大臣通知で各自治体に要請しています。

平成30年(2018年)春にも同様の通知を出しましたが、通知に従わない自治体がまだ残っている状況に…。なかなか抜本的な見直しが進まない状況に、総務省側も、もう一歩踏み込んだ姿勢を示した感じですね。

ふるさと納税見直しの方向性

2018年9月11日、閣議後の記者会見で、野田聖子総務大臣は、ふるさと納税の抜本的な見直しを検討する意向を示しました。

寄付金に対する自治体の返礼品の額の割合が3割を超える場合、返礼品が地場産品でない場合については、税優遇の対象から外すことを検討するということです。

ふるさと納税見直しのスケジュール

ふるさと納税見直しのスケジュールとしては、年末に向けて与党税制調査会で詳細を詰め、2019年の通常国会に地方税法改正案を提出。

早ければ19年4月からの改正法施行をめざすということです。

日本経済新聞2018年9月11日『ふるさと納税見直しへ 高額返礼は優遇除外

ふるさと納税、返礼品の見直しを総務省が検討まとめ

何かと話題の、ふるさと納税ですが、気になる動きも出てきていますね…。

今回紹介したこと
  • ふるさと納税は、納税と名前は付いているけれど実際は寄付です。
  • ふるさと納税した金額から2,000円を引いた金額が、税金から控除される仕組みです。
  • ふるさと納税は、生まれ故郷の支援とか、災害復興の支援としても活用されています。
  • その一方で、ふるさと納税を集める地方自治体の間では、高額な返礼品を設定する獲得競争が激化…。
  • ふるさと納税を管轄する総務省は、抜本的な制度改正を行うことを検討しています。

『お金節約.com』でも、ふるさと納税の制度改正の行方を追っていきます!

ふるさと納税
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