2018年9月13日、衝撃の経済ニュースが!トルコが政策金利を24%に引き上げ!!
日本の政策金利はマイナス0.1%だというのに、トルコがものすごい状況なのは何となく伝わってきますね…。
(注:日本もある意味たいへん!!)
でも…。政策金利って一体何なの?
『お金節約.com』編集部としても、お金に関する基礎知識としておさえておきたいところです。
「政策金利の基礎知識」をまとめてみました!
トルコ中央銀行が政策金利を24%に引き上げ!
2018年9月13日、トルコ中央銀行が、政策金利を24%に引き上げると発表しました。
とくに経済に詳しくなくても、何コレ!?って思ってしまうぐらいのすごい金利ですよね…。国家的闇金!?とか思ったり。もちろん世界にも衝撃が走っています。
日本経済新聞9月13日『トルコ中銀が大幅利上げ、政策金利24%に』
トルコは経済成長を背景に高金利が続いていた
トルコの2017年の実質GDP(国内総生産)は前年比7.4%増と発表されています。
減税や融資拡大支援といった政府の景気刺激策を背景に、高い経済成長が続いていたんですね。このため政策金利も、もともと高水準にありました。
政策金利一覧を見ても、メキシコの7.5%と並んで、8.0%の高水準にあったことが分かります。
そういえば、トルコ建ての外貨預金が儲かりますよ…。というお話、けっこうありましたよね…。
トランプ大統領とガチンコ対決!『トルコショック』発生
もともと経済が過熱気味だったところに発生したのが、2018年8月10日の『トルコショック』です。トルコリラが米ドルに対して20%程度も急落しました。
トルコがキリスト教福音派の米国人牧師を拘束したことに、トランプ大統領が反発!トルコから輸入するアルミと鉄鋼の関税率をそれぞれ20%と50%に引き上げ!
これに対して、トルコのエルドアン政権も報復措置を発動!乗用車やアルコール、たばこなど米国製品への関税を2倍に引き上げ!
貿易戦争というか、ガチンコ対決の影響を悲観して、トルコリラの価値が下がると予測されたわけです。
トルコ中央銀行は大幅利上げは物価安定のためと説明
トルコリラの価値が急落すれば、同じ金額(トルコリラ建て)で買える輸入品の量は少なくなり、結果として物価は上がります。
トルコ中銀は声明で、「通貨安で物価の安定に大きなリスクが出ている。物価を安定させるために金融政策の大幅な引き締めを決めた」…としています。
政策金利を大幅に利上げすることによって、トルコリラの下落を何とか防ぎたい…。そういうことですね。
超要約すると、もともと経済が過熱気味で高金利体質だったところに、トランプ大統領との貿易戦争的な流れでトルコリラ急落、その結果、物価高騰!インフレを止めるには超高金利も止む無し…。ということでしょうか。
政策金利とは?わかりやすく解説
日本銀行の公式サイトに行くと、堂々とマイナス0.1%の文字が…。
そう、日本はマイナス金利状態なんですよね。政策金利って、国によってどうしてこんなに違うのでしょうか?
政策金利は、経済政策のなかの金融政策の一環。国ごとに経済状況も違うため、経済政策も大きく異なってくる…。という事情があります。
政策金利とは中央銀行が、一般の銀行に融資する際の金利
景気の状態 | 政策金利 | 通貨の量 | 物価 |
良い | 上げる | 減少する | 下がる(デフレ) |
悪い | 下げる | 増加する | 上がる(インフレ) |
政策金利とは、中央銀行(日本の場合は、日銀、日本銀行ですね)が、一般の銀行(市中銀行)に融資する際の金利のこと、と定義されます。
中央銀行は、政策金利を通じて、世の中に出回るお金の量をコントロールしています。
景気が良い時には、政策金利を上げて、お金が借りにくくなって、世の中のお金の量が減少して…。結果的に、物価も下がります。いわゆるデフレ方向への誘導ですね。
景気が悪い時には、政策金利を下げて、お金が借りやすくなって、世の中のお金の量が増加して…。結果的に、物価も上がります。日本では中々そうなっていないんですけど…。汗
政策金利は金融政策のメインの手段です
金融政策 | 政策金利によってお金の量をコントロールすること |
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財政政策 | 国債などを発行して歳入を増やして、政府がお金をより多く使うこと |
国の経済政策は、金融政策と財政政策に分かれます。政策金利は、金融政策の一環(というか、メインの手段)なんですね。
日本の場合は、日銀が政策金利を下げて、世の中に流通するお金の量をめいっぱい増やしている状態です。
理論的にはインフレが起きて、物価が上昇するはず。するはずなんですが…。
日銀の物価上昇目標は2%なんですが、全然達成できていません…。なんで?というと…。経済政策のもう一方の柱、財政政策が全然機能していないからだという議論があります。
日銀の政策金利だけでは限界?財政政策の必要性を説く声も
すごく簡単にいうと、国債をもっと発行して(借金して)、歳出を増やす(政府がお金をがんがん使う)ようにしないと、景気が良くならないでしょ、という考え方ですね。
金融政策によって、お金は世の中にたくさん余っているけれど、使い道がないから、景気に影響を与えることができない。
財政政策によって、お金の使い道をつくってあげないとダメですよと、そういう考え方ですね。こうした考え方を『リフレ派』と呼んだりします。
りそな銀行『今さら聞けない! 初心者でも分かる「リフレ派政策」とは?』
【政策金利の基礎知識】まとめ
トルコが政策金利を24%に引き上げ!という衝撃的なニュースがありましたので、ちょっと経済ニュースっぽく解説してみましたw
- トルコが政策金利を24%に引き上げる衝撃的なニュースが!
- トルコ中央銀行の目的は物価安定のためとしています。
- 政策金利は経済政策の中でも金融政策のメインの手段です。
- 日本の政策金利はマイナス0.1%、逆の意味で衝撃的です…。
- 日本では経済政策のもう一方の柱、財政政策が十分に機能していないため、なかなかデフレが解消できない、という議論があります。
より子が大学で経済学を学んだ頃は、政策金利じゃなくて公定歩合(こうていぶあい)って呼んでたなぁと…。
遠い昔を思い出したより子です。涙
日本銀行は2006年(平成18年)8月11日に「公定歩合」に関する統計の名称変更を行い、今後は公定歩合という名称は使わないという決定をしました。