新型コロナウイルス感染症の影響で、海外渡航が当面難しい状況になってしまい…。
久しぶりにEMS(国際スピード郵便)を利用しようとしたところ、送り状ラベルの発行方法が変更されていました!
セキュリティ対策の一環で、「国際郵便マイページサービス」から発行する方式が推奨されていたんです…。
EMS(国際スピード郵便)のラベルは「国際郵便マイページサービス」利用に変更となることをお伝えします。
2021年1月1日から通関電子データの取扱いが厳格化
新型コロナウイルス感染症の影響で海外に行くことも難しい状況が続いていますよね。荷物はEMS(国際スピード郵便)で送るしかないかなと思っていたところ…。
日本郵便でも、EMS(国際スピード郵便)の送り状ラベルが「国際郵便マイページサービス」から発行する方式に変更されていることに気が付いたんです。
ちょっと驚きつつ、すっかり時代の流れに取り残されていました…。汗
STOP Act 法施行により通関電子データの事前送信が義務化
EMS(国際スピード郵便)の手続が厳格化した背景には、アメリカ国内の法改正があります。
米国郵便庁は、2021年1月1日以降、「通関電子データ」を確認できない米国宛のEMS(国際スピード郵便)などを受取らないことになります。
STOP Act(Synthetics Trafficking and Overdose Prevention [STOP] Act の略)と呼ばれる米国内法の施行によるもので、同法では、テロ対策および違法薬物等の物品の不正輸入を取り締まるため、米国に輸入される国際郵便物に対して、通関に関する情報を事前に米国税関に送信することを義務付けています。
アメリカ発の STOP Act の動きに、各国の郵便当局も対応を進め、原則として「通関電子データ」を事前に送信することを推奨する流れとなっているわけです。
「国際郵便マイページサービス」利用で通関電子データ送信
EMS(国際スピード郵便)の送り状ラベルが手書きNGになる、ということはある意味表面的な動きであって、手書きか否かが本質的な問題となるわけではありません。
「国際郵便マイページサービス」を通して送り状ラベルを発行することで、同時に、通関電子データの事前送信もクリアできるという点がポイントです。
これまでは、EMS(国際スピード郵便)も、送り状ラベルに手書きで記入して発送することができましたので、ほぼ日本国内の宅配便に近い感覚で利用できていました。
複写式になっている紙伝票で通関管理する方法だったわけですが、電子化することで、迅速なセキュリティ対策を図るとともに業務効率化も実現しようということかと思います。
「国際郵便マイページサービス」適用対象は物品の送付全般
「国際郵便マイページサービス」を利用する必要があるのは、次の郵便物です。
- EMS(国際スピード郵便)
- 小包
- 小形包装物
- eパケット
- eパケットライト
※EMS(書類)・書留付き印刷物についても義務化はされませんが利用可能
ごく単純に言うと、物品・モノを送る際には、「国際郵便マイページサービス」を利用する必要があるということですね。
ハガキなどの純粋な郵便物を送る際には必要ありません。
【参考資料】日本郵便の「国際郵便マイページサービス」告知パンフレット
EMS(国際スピード郵便)のラベルが「国際郵便マイページサービス」から発行する方式に変更【まとめ】
EMS(国際スピード郵便)の送り状ラベルが「国際郵便マイページサービス」から発行する方式に変更されることをお伝えしました。
- EMS(国際スピード郵便)の送り状ラベルが「国際郵便マイページサービス」から発行する方式に変更されます。
- 「国際郵便マイページサービス」は既に稼働していて、日本郵便でも利用を推奨しています。
- 米国の STOP Act 法施行により、通関電子データの事前送信が義務化されることが背景にあります。
- 2021年1月1日以降は、米国向けのEMS(国際スピード郵便)などは「国際郵便マイページサービス」の利用が義務化されます。
- 「国際郵便マイページサービス」を利用する必要が生じるのは、物品・モノを送る場合です。ハガキなど純粋な郵便物は対象外です。
久しぶりにEMS(国際スピード郵便)を利用することになり、制度変更にはちょっと驚きましたが、業務効率化という意味では非常に合理的な手段のように感じました。
個人情報がデジタルデータとして渡るという問題点は考えられますが、紙ベースでも個人情報は渡ってしまっているわけで、その点は本質的な問題にはならないように思います。
日本国内の宅配便事業者も、デジタル入力を前提にしたシステムに移行する日は遠くないのかも知れないですね。