緊急事態宣言が全面解除されることになりましたね。
新型コロナウイルスに感染していることが疑われる場合、まず「帰国者・接触者相談センター」に電話。
今では多くの人が認識している流れかと思いますが、新型コロナウイルス感染症以外にも、事前相談の流れはあるのです。
それが『救急安心センター事業』!
救急車を呼ぶ?今すぐ病院に行く?など、緊急時に迷った場合、アドバイスを受けることができます。
緊急事態宣言が解除された後に重要になってきそうな『救急安心センター事業』についてお伝えします。
『救急安心センター事業』は消防庁が進める事業
新型コロナウイルスに感染していることが疑われる場合、まずは「帰国者・接触者相談センター」に電話すること。
今では多くの人が認識している流れかと思います。
本当に感染していた場合、相談者自身が感染を拡大する原因となり得るわけですから、事前相談が推奨される大きな目的の一つが「感染予防」にあることは明らかです。
もう一つの目的は「医療リソースの有効活用」であることも多くの人は認識しているのではないかと思います。単純に言うと、多くの人が無秩序に病院に殺到すると、医療崩壊を引き起こしてしまう懸念があるわけですよね。
後者の「医療リソースの有効活用」を目的とした事前相談の流れは、実はすでに消防庁が全国的に取り組みを進めているものがあります。
それが、今回お伝えする『救急安心センター事業』です。
『救急安心センター事業』の概要
救急安心センターとは、住民に対して医療アドバイスを行うコールセンターのことです。
急な病気や怪我をした時、救急車を呼んだ方が良いのか、今すぐ病院に行ったほうが良いのか、など迷った際の相談窓口として専門家から電話でアドバイスを受けることができます。
救急安心センターがアドバイスするのは、具体的には次の点です。
- 救急相談(緊急性の有無、応急手当の方法など)
- 受診手段(適切な医療機関を案内)
住民は、救急安心センターに問い合わせることで、どのような医療行動をとるべきなのか、把握することができるということですね。
『救急安心センター事業』に期待される効果
救急安心センター事業を展開することで、行政側にとっては医療リソースをより有効に活用できるようになります。
- 救急車の適正利用
- 救急医療機関の受診の適正化
この2点が主な効果とされていますが、多くの場合、救急医療機関には救急車によって移送されるわけですから、時系列的には(1)→(2)の順で発生するケースが多いはずです。
消防庁の資料を見ても、基本的な目的は「救急車の適正利用を促すこと」であることが分かります。
東京消防庁管内では平成19年から救急相談センターを開設、救急車が出動する救急事故のうち、軽症が占める割合は最大約9ポイント低下したことが示されていますので、一定の効果は確実にあるようですね。
もちろん、それでも半分以上が軽症で占められているということは課題ではあるのでしょうけれども…。
【注意点】『救急安心センター事業』は普及途上の制度
救急安心センター事業として「#7119」の全国展開が開始されたのはここ数年のこと。
2015年(平成27年)から「#7119」の普及促進の議論が本格化、2019年からは総務省の重点施策ともなっています。
全国展開されてからまだ日が浅く、現時点では普及途上の制度と言えます。
『救急安心センター事業』の普及状況
救急安心センター事業の普及率は、人口カバー率では、国民の43.9%という資料が示されています。(2019年12月1日段階)
合わせると2000万人を超える人口となる東京都と大阪府が、ともに全域で実施していることは、人口カバー率では大きくプラスに働いているように見えます。
大都市圏では、名古屋市を含む東海地方の進捗が鍵になりそうな印象を受けます。
また、現時点では基本的に都市部中心に整備が進んでいる状態となっていて、地方での拡充も課題になって来そうですね。
千葉県の場合は#7009に電話
『お金節約.com』編集部は、千葉県成田市にあるのですが、体感的にも千葉県では「#7119」の認知は進んでいないように感じられます。
というのも、千葉県は「#7119」以外の番号で運営されている4県の一つなのです…。
千葉県では、『救急安心電話相談』として、次の電話番号を用意しています。
- 一般の相談:#7009 または 03(6735)8305
- 小児の相談:#8000
一般の電話番号を見ると、都内の事業者に委託している状況なのかも知れないですね。
緊急事態宣言の継続・解除でも、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県は同一地域として扱われたわけですが、千葉県だけ番号が違っているのは正直ちょっと違和感は感じます。
救急車を呼ぶ?今すぐ病院に行く?など『緊急時に迷った場合』の手順まとめ
最後に、救急車を呼ぶ?今すぐ病院に行く?など、『緊急時に迷った場合』の対応について整理しておきますね。
【Step1】新型コロナウイルスに感染していることが疑われる場合は『帰国者・接触者相談センター』に連絡する
新型コロナウイルスに感染していることが疑われる場合は『帰国者・接触者相談センター』に連絡すること、この流れは緊急事態宣言が解除されたあとも変わりません。
各都道府県の帰国者・接触者相談センターについては、厚生労働省のサイトを参考にしてください。
【Step2】それ以外のケースでは『救急安心センター事業』展開地域は#7119を活用する
新型コロナウイルス以外のケースでは、『救急安心センター事業』を展開している地域は「#7119」を活用すると良いです。
各都道府県の「#7119」実施エリアについては、消防庁のサイトを参考にしてください。
【Step3】『救急安心センター事業』と同じ事業を別番号で展開している地域は注意
新型コロナウイルス以外のケースで、『救急安心センター事業』と同じ事業を別番号で展開している地域は注意が必要です。
現時点では北から順に、山形県・栃木県・千葉県・香川県の4県が該当します。
千葉県については、千葉県ホームページの『救急安心電話相談について』を参考にしてください。