じつは、3月1日から値上げされる食品がたくさんあるんです!
人手不足による人件費の上昇や、原材料費の上昇が背景ということですが…。
消費者にとっても厳しい状況になりますよね。
どんな商品がどのぐらい値上がりするのか?
値上げする各メーカーの公式発表は?
3月1日から値上げされる食品について、主要各社の状況をまとめました!
3月1日から値上げされる代表的な食品
3月になると、いよいよ春の気配も感じられてきて、気分も高まりますよね。
でも、気分だけじゃなくって、食品の値段もぐぐっと値上がりしそうなんです…。
実はこの3月から、多くの食品メーカーが希望小売価格や出荷価格を引き上げることを明らかにしています。
3月1日から値上げされる代表的な食品を見てみましょう。
アイスクリームから麺類・冷凍食品まで幅広く値上げ
食品の区分 | メーカー | 値上げ率 |
アイスクリーム | ロッテ | 6.1%~10.0% |
アイスクリーム | 江崎グリコ | 6.1%~10.0% |
麺類 | シマダヤ | 3%~10% |
麺類 | 東洋水産 | 4%~9% |
練り物・中華総菜 | 東洋水産 | 3%~6% |
練り物・中華総菜 | 紀文食品 | 5%~15% |
業務用冷凍食品 | マルハニチロ | 3%~10% |
(各社報道資料より『お金節約.com』編集部作成)
3月1日から値上げを公表してるメーカーを一覧表にしてみました。
ライバル企業がほぼ横並びで値上げしている状況であることが分かりますね。
アイスクリームでは、ロッテと江崎グリコは小数点まで同じです。(江崎グリコについては『お金節約.com』編集部にて改定率を計算)
麺類のシマダヤ、マルちゃんの東洋水産もほぼ同じ水準で値上げです。
ある程度値上げする幅は決めておいて、最後の決断は、先に出した競合他社なども参考にしながら決めているのかも知れないですね。
値上げの原因は人件費と原材料の高騰が主要因
今回の値上げは、多くのメーカーで、少子高齢化・人手不足による人件費の上昇、原材料費の高騰などを主な要因としています。
メーカーの言い分としては、どの企業にも同じように影響を受けるコスト増だから、結果として値段の改定率もほぼ同じになるということなのだろうと思います。
継続的にコスト増が続いていて、「コスト削減は、もう限界」という説明に集約されるのですけれども、タイミングについては消費増税が影響を与えた可能性は考えられます。
もともと消費増税関連法では2015年10月に税率を10%に引き上げることを明記していたのですが、安倍政権にて2017年4月に延期、その後さらに2019年10月に再延期されたという事情がありました。
増税後すぐには値段を変更したくないとすると、このタイミングしか無かったのかも知れません。
日銀のインフレ目標達成に直接の影響はナシ
CPI | 全ての財・サービスを対象とした総合指数 |
---|---|
コアCPI | CPIから、生鮮食料品を除いたもの |
コアコアCPI | CPIから、生鮮食料品+石油等エネルギーを除いたもの |
食品の値段が上がるということは、日銀のインフレターゲット目標2%の達成にはプラスに働くの?そう考える人もいるかも知れません。
でも、今回の食料品の値上げが、日銀のインフレターゲット目標2%の達成に、直接影響を与えることは無いんです。
物価指数(Consumer Price Index:CPI)は、大きく3つの種類があります。歴史的には、正確な判断を行うために、カウント外とする対象を増やしていった感じです。
- CPI:家計に係る財及びサービスの物価変動
- コアCPI:インフレーション、デフレーション状況を見る際に使用
- コアコアCPI:エネルギー価格の変動が大きくなってきたので追加
日本銀行は、物価目標の指標として、生鮮食料品を除いたコアCPIを採用しています。
生鮮食料品は、豊作・不作などの状況によって大きく値段が変動するものですから、インフレ脱却を判断するための指標としては除外するのが適切と考えているんですね。
ちなみに日本政府はエネルギー関連を除いたコアコアCPIで判断する方針を明らかにしています。日本政府の姿勢については、より正確に判断するためというプラスに評価する声がある一方で、消費増税を回避する論拠としたいためではないかという推測も見られます。
3月1日から値上げに踏み切った各社の情報一覧
3月1日から食品値上げに踏み切った代表的な企業について、公式の広報資料などを一覧として示しておきますね。
値上げの理由については、各社ともほぼ共通している状況が見て取れます。
ロッテ
企業名 | 株式会社ロッテ |
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対象 | アイスクリーム |
広報資料 | ロッテ広報資料2018年11月6日付 |
値上げの理由 | 物流費や人手不足による人件費の高騰、一部原材料および包装資材価格の上昇による製造コストの上昇 |
江崎グリコ
企業名 | 江崎グリコ株式会社 |
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対象 | アイスクリーム |
広報資料 | 江崎グリコ広報資料2018年11月19日付 |
値上げの理由 | 原材料価格や物流コストが軒並み上昇しているため |
シマダヤ
企業名 | シマダヤ株式会社 |
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対象 | 麺類 |
広報資料 | シマダヤ広報資料2018年11月29日付 |
値上げの理由 | 主原料である小麦粉や、原油価格高騰による生産工場のエネルギーコストなどが大幅に急騰しており、現行の商品価格を維持することが大変難しい状況となったため |
東洋水産
企業名 | 東洋水産株式会社 |
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対象 | 麺類・チルド商品 |
広報資料 | 東洋水産広報資料2018年12月4日付 |
値上げの理由 | 原材料の上昇に加え、物流費・包材費・人件費が高騰しており、今後もこうした状況が続くと予想されるため |
紀文食品
企業名 | 株式会社紀文食品 |
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対象 | 魚肉練り製品、中華惣菜、水物などの一部商品 |
広報資料 | 紀文食品広報資料2018年12月20日付 |
値上げの理由 | 原材料価格の高騰と、包装資材費・人件費・エネルギー費・物流費等のコスト上昇が想定を上回る事態となり、吸収できる自助努力の限度を超える状況となったため |
マルハニチロ
企業名 | マルハニチロ株式会社 |
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対象 | 業務用冷凍食品 |
広報資料 | マルハニチロ広報資料2018年12月20日付 |
値上げの理由 | 食品原料全般の価格高騰、人件費、包装資材、物流費アップが続いていることに加え、水産物においては世界的な需要増加に伴い、一部魚種で価格が高騰しているため |
【悲報】3月1日から値上げされる食品が多数!まとめ
3月1日から値上げされる食品が多数!という悲しいお知らせでしたが、いかがでしたか?
- 3月1日から多くの食品メーカーが希望小売価格や出荷価格を引き上げます。
- 値上げの原因は多くのメーカで共通していて、人件費と原材料の高騰が主要因です。
- 包装資材や物流費の上昇も加わり、企業努力だけでは吸収し切れない状況と説明されています。
- 各食品メーカーの値上げ率を比較すると、競合企業の値上げ率がほぼ同じというケースも見られます。
- 食料品が値上がりしても日銀のインフレターゲット目標2%の達成にプラスには働きません。
各社のコスト削減も限界に来ている、というのも事実ではあるのでしょう…。
とは言え、食料品の値段は上がり、消費税まで増税されるのに、貰うお給料は同じ水準ということでは、私たちの生活は実質的にはより貧しくなってしまいます。
せめて今回値上げをする各社が、販売価格を適正化するなかで、従業員の給料にも還元してくれることを切に願っていますが…。
生活防衛がこれまで以上に重要となってくると思いますので、『お金節約.com』編集部としても、よりお役に立てる情報をご提供できるよう努めます!