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じゃがいもの食中毒の原因を知って防止対策を講じよう!【日光に当てずに冷暗所で保存しましょう】

じゃがいもの食中毒の原因を知って防止対策を講じよう!
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編集長より子
編集長より子
『お金節約.com』編集長「より子」です。

2019年7月9日に、兵庫県宝塚市の小学校でじゃがいもによる食中毒が発生。

改めて、じゃがいもによる食中毒をどう防ぐのか、話題になっています。

じゃがいもの食中毒の原因って何?

じゃがいもの食中毒を防ぐ保存方法はどうなるの?

じゃがいもによる食中毒を防ぐためにはどこに気をつけたら良いのか、解説します!

じゃがいもによる食中毒は年間平均30件以上発生

2019年7月9日に、兵庫県宝塚市の小学校でじゃがいもによる食中毒が発生。

校内の畑で収穫したジャガイモを食べた児童13人が、食中毒とみられる症状を訴えて救急搬送されたことが大きく報道されましたね。

確かに、家庭科の調理実習などで「芽は取り除く」など、教えられた記憶はありますよね。でも日本全国で見ると、じゃがいもによる食中毒はどのぐらい発生しているのでしょう?

まずは、じゃがいもによる食中毒はどのぐらい発生しているのか、その点を確認してみましょう。

有毒植物による食中毒発生の4割以上が「じゃがいも」

植物名 事件数 患者数 死亡数 患者数の比率
ジャガイモ 21 346 0 44.4%
スイセン 48 180 1 23.1%
チョウセンアサガオ 16 39 0 5.0%
バイケイソウ 16 33 0 4.2%
クワズイモ 13 26 0 3.3%
観賞用ヒョウタン 3 20 0 2.6%
イヌサフラン 13 19 8 2.4%
不明 4 14 0 1.8%
コバイケイソウ 5 13 0 1.7%
トリカブト 8 12 3 1.5%
ハシリドコロ 3 8 0 1.0%
アジサイ 1 5 0 0.6%
スノーフレーク 2 5 0 0.6%
ヨウシュヤマゴボウ 4 4 0 0.5%
ドクゼリ 1 4 0 0.5%
ジギタリス 1 1 0 0.1%
テンナンショウ類 0 0 0 0.0%
その他 17 51 0 6.5%
合計 176 780 12

(厚生労働省『過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成21年~30年)』より『お金節約.com』編集部作成)

厚生労働省では、有毒植物による食中毒の発生状況を公開していますが、それを見ると、患者数で見ると「じゃがいも」の割合が圧倒的に高いことが分かります。

平成21年~30年の10年間で、有毒植物による食中毒の発生患者は780人、そのうち346人がじゃがいもによるものですので、実に44.4%を占める状況です。

じゃがいもは芽と緑色に変色した皮に要注意

じゃがいもによる食中毒が発生してしまうのは、芽とか緑色に変色した皮に、ソラニンチャコニンといった天然毒素が含まれているためです。

農家が生産し、お店で販売されているジャガイモの場合、食中毒を起こすほどの量のソラニン等が含まれていることは、まずありません。しかし、自家栽培した未成熟で小さなジャガイモや、日光が当たり皮の部分が緑色になってしまったジャガイモの場合は、ソラニン等の含有量が多くなっている可能性が高く、注意が必要です。食中毒の原因施設は、
ほとんどが学校です。
(出典:食品安全委員会『ジャガイモによる食中毒について知ろう!』)

ソラニンやチャコニンといった天然毒素は、過熱しても分解されないことを知っておくことも重要です。

ソラニンやチャコニンは熱によって分解しないので、ジャガイモをゆでても、その量は減りません。ソラニン等による食中毒の症状としては、おう吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、意識障害、けいれん、呼吸困難などが起こります。ひどい場合は死に至ることもあります。症状は、早いときは数分後から出始め、遅いときは数日後に出ることもあります。
(出典:食品安全委員会『ジャガイモによる食中毒について知ろう!』)

熱分解されない以上は、芽が出てしまったり、皮が緑に変色してしまったじゃがいもについては、少なくとも問題がある部位を食べないことが必要になってきます。

  • 発芽してしまった部位は深めに取り除く
  • 緑に変色してしまった皮は厚めにむいて取り除く

食べるにしても、このような対策が必要と言うことですね!

じゃがいもは日光を当てずに冷暗所で保存

じゃがいもの食中毒を防ぐ保管方法じゃがいもは冷暗所で常温保存するのがベスト!

食品安全委員会でも、「農家が生産し、お店で販売されているジャガイモの場合、食中毒を起こすほどの量のソラニン等が含まれていることは、まずありません。」としています。

確かに、未成熟で小さなじゃがいもは、そもそも販売することが難しいでしょうから、スーパーなどでじゃがいもを買った時点では安全性が高いと考えて良いでしょう。

注意しなくてはいけないのは、じゃがいもの保存方法。

保存しているうちに、芽が出てしまったり、皮が緑に変色してしまったら要注意です!

最需要なのは日光を当てないこと

じゃがいもを日光にさらすと、皮が緑に変色してしまうことがあります。ソラニンやチャコニンといった天然毒素が生じてしまうということですね。

じゃがいもは、日光に当てずに保存する、これが最重要事項です!

冷暗な場所で常温保存するのが一番良い

家の中に、冷暗な場所が確保できるのであれば、冷暗所で常温保存するのが一番良いです。

主に一戸建てにお住まいの方は、比較的保存場所も探しやすいのではないでしょうか。

次善の策としては冷蔵庫の野菜室で保存

集合住宅に住んでいる場合など、冷暗な場所がなかなか無い人もいると思います。

こうした場合は、冷蔵庫の野菜室で保存するのも次善の策としておすすめです。

冷蔵庫で保存するなら何か容器に入れた方が良い

冷蔵庫に野菜室が無い場合はどうしたら良いの?ということですが…。

何らかの容器に入れて、冷蔵庫で保存するという方法があります。

冷蔵庫は乾燥しやすいことが欠点ですが、容器に入れることで水分が抜けるのをある程度抑えることができます。

【備考】じゃがいもの冷蔵庫保存を避けた方が良い理由

じゃがいもは、5℃以下の冷暗所におくと芽が伸びず、発芽によるソラニン等の発生を抑えることができます。

それなら冷蔵庫保存が優れているのでは?そう思ってしまいますが、懸念もあるんです。

じゃがいもには低温で長期間保存すると、デンプンが糖分(還元糖)に変化していきます。この変化が直接問題になるわけではありませんが、調理方法によっては問題が生じる可能性があるというのです…。

還元糖を120℃以上の高温で加熱すると、アクリルアミドが生成されます。

アクリルアミドは、国際がん研究機関により「人に対しおそらく発がん性がある」物質に分類されていて世界各国で研究が進んでいます。

冷蔵庫で長期間保存したじゃがいもを、揚げたり焼いたり、120℃以上の高温で加熱すると、人体に有害となる可能性があるということなんですね…。

対策としては、蒸す、煮る、茹でる、など、100℃を沸点とする水を介した調理法を選ぶことで回避可能とされていますが、頭の片隅に置いておくと良いと思います。

詳しくは次の記事を参考にしてください!

じゃがいもの食中毒の原因を知って防止対策を講じよう!【日光に当てずに冷暗所で保存しましょう】まとめ

じゃがいもの食中毒の原因を知って防止対策を講じよう!ということをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?

今回紹介したこと
  • 厚生労働省では、有毒植物による食中毒の発生状況を公開していますが、患者数で見ると「じゃがいも」の割合が圧倒的に高い状況です。
  • じゃがいもによる食中毒が発生してしまうのは、芽とか緑色に変色した皮に、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているためです。
  • じゃがいもが、発芽したり皮が緑に変色している場合には、芽とか緑の皮の部位を大きめに取り除くようにしましょう。
  • じゃがいもを冷暗所に保存することで、発芽したり皮が緑に変色してしまうことを抑えることができます。
  • 容器に入れるなど水分が失われないように対策しておけば、冷蔵庫での保存も可能ですが、この場合、蒸す・煮る・茹でる、などの調理をした方が安全です。

じゃがいもの芽は食べちゃダメ、小学校の家庭科の授業でそう教わった記憶がありますが、ちゃんとした理由があったんですね。

じゃがいもの食中毒は、未成熟で小さいとか、芽が出ているとか、皮が緑に変色しているとか、見た目で判断がつくものですので、しっかり目視チェックするようにしましょう!

アクリルアミドの危険性については改めて調査してご報告したいと思います。