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【マイナポイントって何?】マイナンバーカードをポイント還元に活用して普及促進を図る政府の思惑

【マイナポイントって何?】マイナンバーカードをポイント還元に活用して普及促進を図る政府の思惑
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編集長より子
編集長より子
『お金節約.com』編集長「より子」です。

突然ですが、マイナポイントってご存知ですか?

マイナンバーカードをポイント還元に活用することで、普及を促進しようという取り組みなのですが…。

令和元年11月6日、総務省よりマイナポイントの仕組みの概要がまとまったことが発表されました。

資料を読む限り、仕組みそのものはかなりシンプルな感じですが、いくつか課題が感じられる点も…。

マイナポイントの概要について解説します!

『マイナポイント』はマイナンバーカードを活用した消費活性化策

『マイナポイント』とは、マイナンバーカードを活用した消費活性化策の仕組みです。

具体的には、マイナンバーカードに紐づけて、国が利用額に応じてプレミアムポイントを付与。このプレミアムポイントを『マイナポイント』と呼んでいるわけですね。

プレミアムポイントである『マイナポイント』を、提携する民間のキャッシュレス決済にて普段の買い物などに利用可能にするという制度なんです。

※仕組みそのものは非常にシンプルで、概要は上記のイラスト一枚でほぼ把握できてしまうかと思います。

個人番号カード(マイナンバーカード)の普及率は約15%

マイナンバーカードは、正式には『個人番号カード』と呼ばれ、2015年施行の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき発行される身分証明書の一つです。

日本国民ひとり一人に識別番号を割り当てて行政情報などを一元的に管理し、行政手続の簡素化による国民負担軽減や本人確認の簡易化することを目的としたものですが…。

現状、個人番号カード(マイナンバーカード)を取得するか否かは本人の自由選択となっていることもあり、普及率は約15%程度という状況があります。

そもそも給与所得者・サラリーマンの場合は、実務上、必ずしも取得が必須ということもないですし、国に個人情報を管理されることの漠然とした不安もあって、なかなか普及が進まないのが現状では無いかと思います。

そこで、個人番号カード(マイナンバーカード)を利用する現実的なメリットを用意して、普及を促進したい。要約すると、国の思惑はそこにあるのだろうと思います。

『マイナポイント』の利用イメージ

個人番号カード(マイナンバーカード)取得促進のために国が準備を進めているのが、官製ポイント制度である『マイナポイント』。

もちろんセキュリティ面の設計などは非常に大変なのだろうと思いますが、利用者側から見た仕組みそのものは非常にシンプルです。

  1. マイナンバーカード(マイキーID)を取得
  2. 民間の提携キャッシュレスサービスと紐づける
  3. チャージ額・利用額に応じて国がプレミアムポイント(=マイナポイント)を付与
  4. 最終決済手段は紐付け先の民間の提携キャッシュレスサービスでOK

民間の提携キャッシュレスサービスに対して、国がプレミアムポイント(支援金であるマイナポイント)を流し込むための統一IDとしてマイナンバーカード(マイキーID)が活用されるということかと思います。

総務省の資料を見ると、自治体がポイント付与する可能性についても検討されているようですが、その場合のポイントは自治体内のみとすべきか、日本全国で使えるようにすべきか、ここは現在検討中のようです。

総務省の『マイナポイント活用官民連携タスクフォース』で見えてきていること

総務省では、マイナポイント活用に向けた官民連携タスクフォースを立ち上げています。

2019年11月6日の第2回会合の結果、大体の概要が見えてきた感じですので、一通りご紹介しますね。

民間の提携キャッシュレスサービスを一つ選択

『マイナポイント』に連携させる民間の提携キャッシュレスサービスは「一つ選択」とされています。

一つだけと言われると、セキュリティに対する信頼度(というかイメージ)を考えると、Suicaの優位性がかなり高いようには思います。

それでも、今後の拡大の可能性を考えると、新興の〇〇Pay集団のユーザー獲得競争はさらに過熱するのではないでしょうか…。

「前払い」または「物品等の購入」でマイナポイント付与

『マイナポイント』のキャンペーンサイトでは、チャージ時のみプレミアムポイント付与と読めるのですが、今回のタスクフォース資料では、チャージ(前払い)に加えて、商品購入時にも『マイナポイント』が付与される方向であることが分かりました。

『マイナポイント』は、国費で賄われるプレミアムポイントですが、利用の機会が増えるのは有難いことかと思います。

マイナポイント利用上限とプレミアム率は一律設定

マイナポイントの利用上限と付与率は、ともに一律設定される方向のようです。

この辺りはシステム設計の根幹では無く、変数という位置づけでしょうから、予算措置と含めて策定されることになるのではないかと思います。

事業実施期間は5か月間?

今回のタスクフォース資料では、開始時期が令和2年(2020年)10月頃となる可能性が強く示唆されています。

当初予定からは、実施期間は令和3年(2021年)3月とされていましたので、この通りであれば実施期間は6カ月間と言うことになりますが…。

半年間では短いような気もしますが、確定申告の期間は含まれますね。個人番号カード(マイナンバーカード)取得促進の効果を見つつ、延長も検討されるのでしょうか?

【その他】一定のICTリテラシーは必要か

その他ですが、個人番号カード(マイナンバーカード)の、マイキーID取得およびパスワード設定は自動生成で統一するということです。

一定以上のセキュリティ意識がある人・企業の場合は、現時点でも、パスワードの自動生成サービスを導入しているかと思いますが…。

それでもまだまだ、ぜんぶ同じパスワード、という人だって少なくないだろうと思います。

パスワードの自動生成、一定期間での更新など、現代社会に必須のスキルと言われてしまえばそうなのですが、だいぶ啓蒙活動も必要なように思います。

今回のタスクフォース資料でも、「一定のICTリテラシーが必要であり、設定支援のニーズが想定される」としています。

【マイナポイントって何?】マイナンバーカードをポイント還元に活用して普及促進を図る政府の思惑!まとめ

マイナンバーカードのポイント制度『マイナポイント』の概要が見えてきたことをお伝えしましたが、いかがでしたか?

今回紹介したこと
  • 令和元年11月6日、総務省より『マイナポイント』の仕組みの概要がまとまったことが発表されました。
  • 『マイナポイント』とは、マイナンバーカードをポイント還元に活用することで、普及を促進しようという取り組みです。
  • 国がマイナポイント(支援金)を流し込むための統一IDとしてマイナンバーカード(マイキーID)が活用される方向です。
  • 最終決済手段は紐付け先の民間の提携キャッシュレスサービスとなり、利用する側から見るとかなりシンプルな仕組みです。
  • その一方で、マイキーID取得およびパスワード設定は自動生成で統一するなど、設定・運用に一定のICTリテラシーは必要となりそうです。

ここまで議論が進んでいる以上は、『マイナポイント』が導入されること自体は確定的と考えて良いように思います。

課題はやはりセキュリティ面となるのではないでしょうか。

仮にマイナンバーカード(マイキーID)を管理運営する国の側のセキュリティが十分な強度だとしても、最終的な決済手段たる〇〇Pay集団は果たして大丈夫なのか…。

これは個人的にも一抹の不安は拭えない部分です。

万一、マイナンバーカードの情報が漏洩してしまったら、クレジットカード番号漏洩などよりもはるかに重大なダメージですから…。

『マイナポイント』開始まであと約1年。議論の動向をしっかり見守りたいと思います。