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2019年春は引っ越し業者の予約が取れない?【少子化・ヤマト運輸問題・レオパレス問題の三重苦】

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編集長より子
編集長より子
『お金節約.com』編集長「より子」です。

春先の引っ越しシーズンが近づいてきていますが…。

今春の引っ越し業者の予約が全然取れない!という異常事態が発生しています。

もともと少子高齢化による人手不足が進んでいましたが…。

そこに加えて、ヤマトホームコンビニエンスが不祥事で引っ越しの引き受けを停止、レオパレス施工不良問題で引っ越しを迫られる人が続出するなど三重苦状態!

2019年春は引っ越し業者の予約が取れない?現在の状況をレポートします!

2019年春の引っ越しシーズンは大混雑

春は新生活がスタートする時期。引っ越しする人も、一年で一番多いタイミングです。

ところが、今年の春は異常事態が…。

引っ越し業者の予約が一杯で、全然取れない!そんな状況が発生しているんです。

国土交通省の『引越時期の分散に向けたお願い』

事態を重く見た国も対応を始めています。

国土交通省では、とくに3月は、通常月と比べて引越件数が約2倍となり、人員と車両の両方の確保の面からピーク時の対応が難しくなってきていることを告知。

3月23日~4月7日までの約2週間を特に引っ越し依頼が込み合う時期として、できる限りピーク時の引っ越し依頼を回避してもらいたいと呼びかけています。

毎年3月の引越件数は通常月の約2倍

国土交通省では、全日本トラック協会による大手引越事業者6者へのヒアリング結果をもとに、大手引越事業者6者の引越件数を公表しています。

通常月では平均して15万件強のラインで推移しているところ、3月は35万件弱と約2倍の件数に、4月も30万件弱とかなりの件数に上ることが分かります。

日本人の慣習を考えると当然ではあるのですが、データ的にも3月~4月に引っ越しが集中するのは明らかと言えます。

2019年春の引越事業者は『三重苦』状態

データ的にも春先に集中する引っ越し事業者への作業依頼。

今年、2019年春は特殊な事情もあって、引っ越し事業者は三重苦とも言える状態にあると言われます。

何が重なってしまっているのでしょうか?

少子化による人手不足と働き方改革の影響

職種 有効求人倍率 対前年同月比
全職種 1.57 0.05
輸送・機械運転の職業 2.74 0.17
(その内、自動車運転の職業) 3.23 0.14

(データ出典:厚生労働省『職業別一般職業紹介状況(含パート)平成30年12月分』

そもそも少子高齢化の進行で、日本はさまざまな業種で人手不足に陥っていますが、引っ越し業務を担うトラックドライバーの人手不足は深刻な状態です。

有効求人倍率は全国平均でも3倍を超える状態が続いていますが、東京・名古屋・大阪を中心とした大都市部では人手不足感がさらに顕著です。

ドライバーだけでなく、引越作業を担う作業員の人手不足も大変です。今や全業種でアルバイトスタッフの奪い合いという状況ですから、当然と言えば当然なのですが…。

最近では、ここに働き方改革による超過残業の抑制の動きが、大手引越事業者を中心に進んでいます。

引き受けられる引越作業の件数に限界があるという状況が、ベースとして存在するわけですね。

ヤマトホームコンビニエンスの引越作業引き受け停止の影響

ヤマトホームコンビニエンスHP(画像出典:現時点でも引き受け停止が続くヤマトホームコンビニエンス

ヤマト運輸を統括するヤマトホールディングスの引っ越し子会社、ヤマトホームコンビニエンスでは、2018年夏に法人向け引っ越し料金の過大請求問題が発覚。2018年8月より引っ越し作業の新規引き受けを停止しています。

2019年1月23日には国土交通省より貨物自動車運送事業法に基づく事業改善命令を受け、不正が確認された123支店が車両使用停止の行政処分を受けました。引っ越し業務の再開は4月以降となり、繁忙期の3月も引っ越し業務の停止が続くと見られています。

ヤマトホームコンビニエンスの引っ越し業界シェアは1割程度とされますが、競合他社の引き受け状況もすでにぎりぎりの状況。ヤマトホームコンビニエンスの業務停止で溢れる分を、受け止める余裕が無いわけです…。

ただでさえ厳しい3月の引越シーズンが、ヤマトホームコンビニエンスの不祥事によって、今年はさらに一段と厳しさを増しています。

レオパレス施工不良問題で約8000件の引越が発生

レオパレス21ホームページレオパレス21ではホームページにお詫び文を掲載、経営責任が問われる事態に発展しています。

これだけでも十分大変な状況ですが、さらにレオパレス21の施工不良問題が追い打ちをかけるかのように発生…。

レオパレス21は、株式会社レオパレス21が建築請負・賃貸管理するアパート・マンションのブランドです。敷金・礼金無しで設定されている物件が多く、初期費用が抑えられることから人気の賃貸物件ですよね。

レオパレス21で事件が表面化したのは、2018年の3月。物件オーナーからの指摘により、施工不良が次々と見つかる事態となったのです。

施工不良の内容は主に3点です。

  1. 「外壁」の材料が耐火基準を満たしていない
  2. 部屋を仕切る「界壁」の遮音性能が基準を満たしていない
  3. 3階建ての場合に天井の板が「2枚」必要なのに「1枚」のみなど、耐火基準を満たしていない材料が使われている

特に3番目の天井の耐火性能が不足している問題は、万一の火災の際に、居住者の人命に直結する点だけに深刻です。

2019年2月7日、レオパレス21は新たに1324棟の物件で壁や天井などに施工不良が見つかったと発表しました。

入居者は計1万4443人、そのなかでも天井の耐火性能が不足する641棟の入居者7782人に対して「危険が大きい」として速やかに3月末までの転居を要請したのです。

2019年春は引っ越し業者の予約が取れない?まとめ

2019年春は引っ越し業者の予約が全然取れない状況が発生していること、その背景として、少子高齢化による人手不足・ヤマト運輸問題・レオパレス問題の三重苦があることを解説してきましたが、いかがでしたか?

今回紹介したこと
  • 毎年3月~4月は引っ越しシーズン、とくに3月は例月比で約2倍の引越件数が集中します。
  • もともと少子高齢化による人手不足が、ドライバー・引越作業員ともに深刻で、慢性的な人手不足状態がありました。
  • 今年はヤマトホームコンビニエンスが料金の過大請求問題で、新規の引越業務引き受けを停止中。請負可能な引越作業数が約1割減少!
  • さらにレオパレスの施工不良問題で、3月末までに約8000人の緊急引越が加わりました…。
  • この三重苦とも言える事態の発生で、2019年春は引っ越し業者の予約が全然取れない状況が発生しています。

この問題はすでに社会問題化していて、各種報道も始まっています。

ごくシンプルに言えば、もともとがキャパいっぱいでやり繰りしていた引っ越し業界が、いくつもの事故が重なって、破綻を来し始めている…。そういう状況です。

とは言え、原因となった事故・事件が、悪意が感じられる人為的なものですから、この春に引っ越しを予定していた人には本当に納得がいかない事態ですよね…。

『お金節約.com』編集部としても、引き続きこの問題は追いかけて行きたいと思います!

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