2019年10月1日施行の消防法施行令の改正で、消火器の設置義務が強化されているのをご存知でしたか?
きっかけは、2016年12月22日に発生した糸魚川大規模火災。街一帯が丸々火災で焼失した衝撃的な事件でしたよね…。
この教訓から、小規模な飲食店でも原則として消火器の設置が義務付けられることになりました。
消防法施行令の改正で消火器の設置義務が強化されたことについて、お伝えします!
「消防法施行令の一部を改正する政令等」が公布
2019年10月1日、「消防法施行令の一部を改正する政令等」が公布されました。
改正の趣旨は、消火器の設置義務の強化です。
火を使用する全ての飲食店に消火器の設置が必要に
- (改正前) 延べ床面積150㎡以上の飲食店には消火器具の設置義務がある
- (改正後) 延べ床面積150㎡以下の飲食店にも消火器具の設置を義務付け
これまでは延べ床面積150㎡を消火器具の設置義務付けのボーダーラインとしてきたのですが、その境界線を無くしたということですね。
改正後の現時点では、延べ床面積で言うと、すべての火を使用する飲食店に消火器の設置が原則として義務付けられたことになります。
調理油過熱防止装置が付いたガスコンロ等を使用していれば設置免除
調理油過熱防止装置が備えられたガスコンロなど一定の安全装置があれば、例外として消火器の設置を免除する規定も設けられています。
調理油過熱防止装置は、平成20年度から原則として家庭用ガスコンロには設置が義務付けられているものですので、ここ10年以内に購入したような製品であれば多くの場合は免除対象に含まれることになります。
なお、類似した安全装置として立ち消え防止安全装置がありますが、立ち消え防止安全装置だけでは免除対象とはならないことには注意してください。
旧規格消火器は『2021年12月31日まで』に交換が必要
実は、消火器をめぐる問題はもう一つあります。
消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令(平成22年)により、新たに製造される消火器は新規格に移行しているのですが、旧規格の消火器についても10年間は使用が認められていました。
その旧規格消火器の使用期限が迫ってきているんです。
適応火災が「文字」で「普通・油・電気」と表示されていたら「旧規格」
新旧規格消火器の見分け方は、消火器の適応火災表示の部分を見るとすぐに分かります。
適応火災が「文字」で「普通・油・電気」と表示されていたら「旧規格」の消火器です。旧規格の消火器を継続的に設置できるのは2021年12月31日までとなります。
適応火災が「絵」で表示されていたら「新規格」
適応火災が「絵」で表示されていたら「新規格」の消火器です。
※製造年が2012年以降のものは「旧規格」の消火器ではありません。製造年が2011年以前のものがチェック対象です!
消防法施行令の改正で消火器の設置義務が強化【小規模飲食店でも設置が原則義務化】まとめ
消防法施行令の改正で消火器の設置義務が強化されたことをお伝えしましたが、いかがでしたか?
- 2019年10月1日施行の消防法施行令の改正で、消火器の設置義務が強化されました。
- 改正前は延べ床面積150㎡を消火器具の設置義務付けのボーダーラインとしてきたのですが、その境界線を撤廃。
- 改正後は、延べ床面積で言うと、すべての火を使用する飲食店に消火器の設置が原則として義務付けられました。
- 調理油過熱防止装置が備えられたガスコンロなど一定の安全装置があれば、例外として消火器の設置を免除する規定も設けられています。
- 旧規格の消火器を継続的に設置できるのは2021年12月31日までなので、こちらも注意してみてください。
『お金節約.com』編集部がある千葉県成田市の事例で言うと、火災の発生件数は、平成29年度が62件、平成30年度も同じく62件というデータが公開されています。
およそ6日に1件の割合で火災が発生していると考えると、やはり火災は非常に用心しなければならないことが分かりますね。
消防法施行令の改正によって、少しでも火災被害の軽減につながって欲しいと思います!